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2022.11.11

リサーチャーに聞く!#20『2022年 植物性たんぱく素材市場の最新動向と将来展望』調査のポイント

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FOOD & DRINK

第20回は、2022年6月30日発刊した『2022年 植物性たんぱく素材市場の最新動向と将来展望』です!
持続可能なたんぱく源として需要が増加している「植物性たんぱく」と「その他の代替たんぱく(藻類・昆虫)」を「代替たんぱく素材」として焦点をあて、今後、同市場への参入や展開拡大に向けたマーケティング活動に資する情報提供を目的に、「市場動向」、「用途別市場規模」、「素材別成長率」、「素材別価格帯」、「プラントベースフードへの普及状況」、「“大豆”以外の植物性たんぱく素材の可能性」、「欧米市場との比較」、「今後の市場性と拡大ポイント」等について分析した当レポートについて、弊社リサーチャーの川原恒輔に調査のポイントについてインタビューしました!

 

川原 恒輔 プロフィール

リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Health&Food
シニアアナリスト 川原 恒輔

—Profile—
入社以降、ヘルス&フード分野のマーケット調査・事例調査・消費者調査を担当。
近年では、問い合わせが増えている食品原料や業務用食品関連の独自調査や市場調査を複数実施している。

 


―なぜ、今回この調査を実施しようとしたのですか??

川原:国連の世界人口予測や国連食糧農業機関(FAO)の食肉需要予測から、将来、食肉の需要に供給が追いつかなくなる「たんぱく質クライシス」が懸念されています。こうした背景から動物性たんぱく質を使わない植物ミート等が注目を集めており、”持続可能なたんぱく源”として、原料となる植物性たんぱく素材について市場動向を見ていく必要があると思い調査を実施いたしました。

 

―今回の調査で、何か新たな発見はありましたか?

川原植物性たんぱくの素材別市場でみると、「大豆たんぱく」が市場のおよそ7割程度を占め、国内では現状「大豆」が主流である点が挙げられます。一方で、「エンドウ豆」や「ヒヨコ豆」「オーツ麦」「アーモンド」といった素材も成長率が高く、大豆以外の植物性たんぱく素材のバリエーションも広がる傾向にあります。特に、プラントベースフードの国内ユーザー調査において、「大豆」以外の素材でもプラントベースフード向けの需要が示唆されている点が新たな発見でした。

 

 

―現在の植物性たんぱく素材市場の課題は何だと考えていますか?

川原:国内市場では、植物性たんぱく素材の中で比較的価格が安く、消費者に馴染みがあってイメージが良い「大豆」が先行していますが、種類によっては認知等の問題から、大豆ほど大きく広がっていなかったり、採用が進んでいないという点が課題の1つとして挙げられます。

 

―そうした課題に対して、どのような仮説をお持ちですか?

川原:代替たんぱく源としての植物性たんぱく素材はまだまだ市場導入の段階であり、今後の認知拡大に向けては、“代替たんぱく源”や“プラントベースフード”の必要性について、社会全体の関心ごとへと高めていく必要があるのではと考えています。社会理解を深めていくためには、業界全体で市場を盛り上げていく必要があるため、国や大学、周辺企業を巻き込むコンソーシアム等の仕掛けも重要な取り組みの1つになるのではないかと思います。また、環境価値等の可視化や認証制度の構築など、素材の魅力を、消費者や社会に直接発信するコミュニケーション戦略も必要になってくるのではないでしょうか。近年、日本の学校教育において、SDGsの取り組みが導入されつつあり、こうした取り組みが代替たんぱく源への社会理解を広げ、中長期的に多様な素材の普及拡大につながっていくのではないかと考えています。

―なるほど、今後の動向にも注目したいですね。最後にこの資料に興味を持たれている方に一言お願いします。

川原:代替たんぱくの研究開発をされているメーカー様、原料ビジネスをされている企業様や、同市場に興味を持たれている方にもぜひ見ていただきたいレポートとなっております。植物性たんぱく素材市場の詳細な分析を通じて、今後の代替たんぱくの研究開発やマーケティング活動のお役に立てれば幸いです。

 

 

―貴重なお話しありがとうございました。今回インタビューしたレポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

2022年 植物性たんぱく素材市場の最新動向と将来展望
持続可能なたんぱく源として需要が高まる植物性たんぱく素材