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2023.04.06

リサーチャーに聞く!#38『2023年 製薬企業のR&D戦略』調査のポイント

PRESS

MEDICAL PHARMACEUTICALS

第38回は、2023年3月28日に発刊した『2023年 製薬企業のR&D戦略』です!
国内で事業を推進する主要な製薬企業21社(国内企業10社、外資系企業11社)を対象とし、各社の研究体制、R&D費用・R&D比率、R&D要員、提携状況、新薬の発売・開発状況、今後の戦略を調査した同レポートについて、弊社リサーチャーの安田 俊に調査のポイントをインタビューしました!

 

安田 俊 プロフィール

リサ・リューション事業部 リサーチグループ Medical

安田 俊

—Profile—

2019年の入社後、ケミカル分野で主に市場調査を担当。
現在は、医薬品領域において製薬企業のR&D戦略や抗体医薬品、再生医療などの調査を行ったほか、
昨年は核酸医薬品に関する市場調査を実施した。
趣味はサッカーで、休みの日によくフットサルに参加している。


―なぜ、今回製薬企業の調査を実施しようとしたのですか?

安田:近年、多くの製薬企業が強化しているのが、先端医療研究への投資です。また、先端医療の研究開発を進めるにあたっては、ベンチャー企業やアカデミアと提携し、パイプラインを拡充するなどの動きが活発化しています。このような中、国内に研究拠点を持つ大手製薬企業の研究開発に着目し、方向性について把握することは、国内でどのような領域で、どういったモダリティの新薬が上市されていくか、その動向を探る上で非常に重要だと考え、調査を開始しました。

 

 

―今回の調査で、明らかになったことは何ですか?

安田今回の調査では国内で事業を推進する主要な製薬企業21社(国内企業10社、外資系企業11社)の研究開発体制や開発費を調査した結果、2021年度の研究開発費(連結)は、前年度から平均で約14%増加していることが明らかになりました。
これは、国内企業を中心に開発費が増加傾向にあります。
特に新規モダリティの研究開発については、近年各企業がさまざまな方面から研究開発に取り組んでいることから、今後、重要性を増していく見通しです。

 

 

―新規モダリティの研究開発に対する注力度は高まっているわけですね。具体的にどのような研究が注目されているのですか?

安田近年の研究開発で注目されているのは、主に抗体薬物複合体、再生医療、核酸医薬になります。いずれも今後、注目すべき新規モダリティであり、多くの企業が研究開発を推進しています。
具体的には、国内企業では、第一三共が、癌を対象とする「Rising Stars」と称する抗体薬物複合体の開発に注力しています。このほか、武田薬品工業は複数の海外ベンチャー企業と提携し、再生医療の分野において共同開発や技術導入、企業買収を進め、研究開発体制を強化しています。
また、外資系企業では、中外製薬がAI創薬をはじめとするデジタル技術を活用した創薬プラットフォームの構築に加え、中分子医薬品、抗体エンジニアリング技術へ戦略的に投資しています。そして、ノバルティス ファーマは遺伝子治療、核酸医薬、放射線リガンド療法の研究開発を戦略として掲げております。

 

―なるほど、今後の各企業の開発動向にも注目したいですね。最後にこの資料に興味を持たれている方に一言お願いします。

安田近年、製薬企業は新規モダリティへの研究開発に注力する動きを活発化させています。製薬企業のR&Dは今後の医薬品市場のトレンドを知る上で、非常に重要な分野であり、製薬メーカー様の研究開発担当の皆さまはもちろんのこと、マーケティングや営業担当の方などにも広く関わるテーマだと思います。
本調査に関しまして、少しでもご興味・ご関心をお持ちいただけた際には、ぜひ実際のレポートをご覧いただければと思います。また、4月には本レポートのweb説明会を予定しておりますので、宜しければお気軽にお問い合わせください。

 

―貴重なお話しありがとうございました。今回インタビューしたレポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

『2023年 製薬企業のR&D戦略』
―新規モダリティの研究開発に注力する各社のR&D戦略―