第62回は、2023年9月28日発刊の『2023年 世界のナノ医薬品市場』です!
日・米・欧のナノ医薬品市場について地域別及び種類別、疾患領域別市場分析と2025年度及び2030年度の市場予測などを調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの林義範に調査のポイントについてインタビューしました!
林義範 プロフィール
リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Medical
林義範
—Profile—
入社以降、医療用医薬品分野を担当。
同領域において、様々な疾患についてのドクター・患者調査レポートや独自調査を担当している。
―なぜ今回ナノ医薬品市場の調査を行ったのですか?
林:ナノ医薬品は2000年以前から製品展開されていますが、2018年に世界初のsiRNA医薬「Onpattro」が脂質ナノ粒子製剤として登場したこと、2020年にmRNA含有脂質ナノ粒子が新型コロナウイルス感染症のワクチンとして承認されたことを受けて、ナノ医薬品やナノDDS技術に対する期待が高まっています。そこで、現状と今後の展開を探るため調査を実施いたしました。
―ナノ医薬品の市場はどのような状況ですか?
林:2022年度における世界のナノ医薬品(ワクチン、抗体薬物複合体を除く)の市場規模は、前年度比10.4%増の2兆6,475億円と拡大しています。また、ナノ医薬品を脂質ナノ粒子製剤、高分子ナノ粒子製剤、ナノ結晶製剤、その他(鉄ナノ粒子製剤など)に分類すると、高分子ナノ粒子製剤の市場規模が市場全体の約半数を占めており、ナノ結晶製剤が3割弱、脂質ナノ粒子製剤が1割強という構成比でした。一方、領域別にみると、血液領域と精神領域の市場規模が他の領域より大きく、それぞれ市場の2割以上を占めています。
―では、ナノ医薬品市場は今後どのように推移すると予想されますか。
林:世界のナノ医薬品の市場規模は2025年度には3兆円を超え、2030年度には3兆3,000億円と市場拡大が継続していくと予想しています。種類別ではナノ結晶製剤が最も高い伸長率で市場が拡大する見通しで、疾患領域別にみると感染症領域が他の領域より高い市場成長が期待されます。
―なるほど、今後の動向にも注目したいですね。最後にこの資料に興味を持たれている方に一言お願いします。
林:ナノ医薬品の市場自体が拡大推移を続けているなか、開発パイプラインにも癌領域を中心にリポソーム製剤、核酸医薬など多くの臨床開発品目があります。今後のナノ医薬品の動向にご興味がございましたら、ぜひ当レポートをご試読・ご検討いただけましたら幸いです。
―本日は貴重なお話しありがとうございました。
今回インタビューした「2023年 世界のナノ医薬品市場」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。