JSRは、液晶ディスプレイの基幹材料である配向膜において、新規グレードの開発・販売を開始した。
今回開発した配向膜は、原料が化学的に安定した構造の有機多環化合物で構成されている。そのため、配向膜でのLCD生産プロセスにおいて、従来のLCD用配向膜では200℃以上の高温焼成が必要であったのに対し、今回開発した配向膜は低温焼成が可能となった。また、従来のLCD用配向膜の生産には、NMPといった高沸点・高極性の溶媒が必要だったのに対し、同社の新規配向膜は一般的な有機溶剤を用いても溶解度が高く、同配向膜に良好な基板塗布性を実現することができる。
同配向膜は、既に一部顧客製造ラインにてLCD生産適用可能の評価を得ており、150℃~200℃の低焼成温度で実用化できることが実証されている。同社は今後、さらなる販売拡大を図る。
INFORMATION
2019.05.16