第6回は、2022年5月30日に発刊した『2022年 世界の核酸医薬品市場』です!
今後も開発が活発化していくと予測される同市場について、弊社リサーチャーの安田俊に調査のポイントについてインタビューしました!
安田 俊 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Medical
安田 俊
—Profile—
2019年の入社後、ケミカル分野で主に市場調査を担当。
現在は、医薬品領域において製薬企業のR&D戦略や抗体医薬品、再生医療などの調査を行ったほか、
今年は核酸医薬品に関する市場調査を実施した。
趣味はサッカーで、休みの日によくフットサルに参加している。
―なぜ、今回核酸医薬品の調査を実施しようとしたのですか?
安田:核酸医薬品は、近年 、 低分子医薬品、抗体医薬品に続く新たな 創薬 モダリティとして注目されています。 これに拍車をかけたのがmRNAワクチンです。
一般的にはmRNAワクチンが注目を集めましたが、核酸医薬品のパイプラインには従来の低分子医薬品、抗体医薬品では標的にできなかった疾患領域にアプローチできる開発品が豊富にあります。
このことからも今後、核酸医薬品市場に大きな変化があるのではないかと考え、調査を開始しました。
―今回の調査で、明らかになったことは何ですか?
安田:mRNAワクチンをはじめ、アンチセンス、siRNA、CpG オリゴの4種類を対象に調査した結果、2021年度の世界核酸医薬品市場は前年から約17.6倍にまで急拡大していることが明らかになりました。
これは新型コロナウイルスのmRNAワクチンが大きく影響しているのですが、mRNAワクチン以外の製品においてもデュシェンヌ型筋ジストロフィーなど根治療法の無い神経疾患の治療薬も市場拡大に寄与しています。今後の市場性に目を向けると、mRNAワクチン供給が一巡し、一時的に市場規模は縮小するものの、こうしたアンチセンスやsiRNAなどの治療薬の開発が活発化していることから、長期的にみると市場は成長基調に乗ると予想されます。
―核酸医薬品市場では、現在どのような製品、開発品が注目されているのですか?
安田:そうですね、製品では、2020 年12 月にNovartis が欧州で発売した高コレステロール血症混合型脂質異常症治療薬の「Leqvio」が、米国へと販売地域を広げて急速にシェアを獲得すると見込んでいます。
また、開発品では、癌領域における治療薬と予防薬の両面から開発が進められており、2030 年を目途に市場が形成されていくのではないかと予想されます。
このほか、技術開発では、脂質ナノ粒子(LNP)等の薬物送達システム(DDS)の開発が活発化しております。
―なるほど、今後の動向にも注目したいですね。最後にこの資料に興味を持たれている方に一言お願いします。
安田:核酸医薬品市場は今後最も注目すべきモダリティのひとつです。すでに参入している方はもちろん、まだ参入をされていない製薬メーカー様、ケミカルメーカー様にも、mRNAワクチンに留まらない核酸医薬品の動向を見ていただきたいと思います。
―貴重なお話しありがとうございました。今回インタビューした調査レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。