第29回は、2022年12月23日に発刊した『化膿性汗腺炎(HS)のドクター調査』です!
直近1年以内にHSの治療経験がある皮膚科専門医30名を対象とし、HS患者について、薬物治療の内容と治療効果が不十分な患者割合、「ヒュミラ」の投与実態と主な薬剤の評価を調査するとともに、新薬候補のニーズについて分析した当レポートについて、弊社リサーチャーの林義範に調査のポイントについてインタビューしました!
林 義範 プロフィール
リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Medical
データアナリスト 林 義範
—Profile—
入社以降、医療用医薬品分野を担当。
同領域において、様々な疾患についてのドクター・患者調査レポートや独自調査を担当している。
―今回化膿性汗腺炎をテーマにした調査とのことですが、現在の課題は何だと考えていますか?
林:化膿性汗腺炎は日本では患者数の少ない疾患です。また、疾患の病態は徐々に解明されつつありますが、原因や発症機序など不明な点も多いです。
このような背景もあり、日本では2019年に「ヒュミラ」の適応追加が承認されるまで化膿性汗腺炎の適応をもつ治療薬はありませんでしたし、現在も「ヒュミラ」以外にありません。
「ヒュミラ」は有効性が高く医師の評価も高い薬剤ですが様々な点から使用できる患者さんは限られており、多くの患者さんにとっては依然として治療選択肢が少ない状況です。
―なぜ、今回この調査を実施しようとしたのですか?
林:前述の通り、日本では2019年から生物学的製剤の「ヒュミラ」が化膿性汗腺炎の患者さんに対して使用されるようになりました。「ヒュミラ」が実際にどのような患者さんに使用され、先生方からどのように評価されているのかを明らかにすることが、今回の調査の目的の1つです。
また、「ヒュミラ」に続く治療薬候補として複数の分子標的薬の臨床試験が行われており、その期待度と受容性を探ることも調査の目的としています。
―今回の調査で、明らかになったことは何ですか?
林:「ヒュミラ」の有効性については使用経験のあるドクターのほぼ全員が満足しており、調査時点で直近1年間の診療患者さんの約1/4に使用されていました。一方で、薬物治療を行っている患者さんのうち治療効果が不十分な患者さんは4割近くもおり、「ヒュミラ」以外の治療薬による治療満足度はかなり低いと言えます。
―今回の調査のここに注目してほしい!というポイントがございましたら、是非ともお聞かせください。
林:今回の調査では前述の項目以外にも、外科的治療を実施する際の他科への紹介状況、Hurley病期分類別にみた治療選択、「ヒュミラ」の投与を検討した患者数と実際に投与した患者数等、様々な項目から化膿性汗腺炎の実際の治療について分析しています。化膿性汗腺炎の治療実態や治療について先生方が考えておられることを概観できる資料は少ないと思いますので、ご興味をお持ちいただけましたらぜひご覧ください。
―貴重なお話しありがとうございました。今回インタビューしたレポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。