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2023.01.19

リサーチャーに聞く!#30『クローン病の患者調査』調査のポイント

PRESS

MEDICAL PHARMACEUTICALS

第30回は、2022年12月23日に発刊した『クローン病の患者調査』です!
クローン病の治療で医療機関を受診・服薬している186人を対象に、医療機関を受診するまでの症状や受診状況、活動期および寛解期における薬物治療の実態・評価、治療管理・患者サポートアプリの使用状況、オンライン診療の利用意向、新しい治療薬(飲み薬、皮下注射薬、点滴静注薬)に対するニーズ等を集計・分析した当レポートについて、弊社リサーチャーの森惠佑に調査のポイントについてインタビューしました!

 

森 惠佑 プロフィール

リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Medical
主任 森 惠佑

—Profile—

入社当時は、医療用医薬品分野でマーケット調査を担当。
その後、ケミカル領域でのマーケット調査を経て、
現在は再び医療用医薬品分野で、患者調査レポートを発刊している。

 


―今回、炎症性腸疾患のクローン病がテーマになっています

森:はい。弊社では炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)について、2年おきを目安に定期的に患者調査を実施し、お客様に最新の情報を提供し続けています。
今回は、2022年8月の「潰瘍性大腸炎の患者調査」に続いてのリニューアルとなりました。

 

―昨夏の「潰瘍性大腸炎の患者調査」と比較して、調査結果に何か違いはありましたか?

森:例えば、クローン病と診断されたときの年齢は平均で約30歳となり、潰瘍性大腸炎(約38歳)よりも若年で診断されている傾向にありました。

また、生物学的製剤について、活動期で6割強、寛解期でも5割~6割の人が使用していました。これは、活動期12%、寛解期8%の使用率であった潰瘍性大腸炎の結果を大きく上回っています。

 

 

―では、「潰瘍性大腸炎の患者調査」の調査結果と共通していた点はありましたか?

炎症性腸疾患に対する薬物療法の主軸は、5-ASA製剤の飲み薬ですが、その使用率はクローン病・潰瘍性大腸炎ともに高く、それぞれ活動期・寛解期ともに8割~9割以上の人が使う結果となっています。

また、いま現在、活動期の人の割合はクローン病では21.2%、潰瘍性大腸炎では17.2%となっており、いずれの疾患でも寛解状態の人が8割前後に及んでいます。

このほか、オンライン診療の利用経験者は、クローン病・潰瘍性大腸炎ともに全体の1割に満たない結果となったのですが、利用経験者のうちのほとんどもしくは全員が今後も利用したいと表明していました。

 

―今回の調査の注目ポイントをお聞かせください。

既存の薬物療法や従来の対面での診断にとどまらない、治療・診断の幅を拡げる新たな手法についても、調査しました。さきほど取り上げたオンライン診療のほか、治療管理・患者サポートを行うためのアプリについて、利用経験や利用意向等を聞き取っています。

こうした新たに盛り込んだ部分も含め、本レポートは「潰瘍性大腸炎の患者調査」と多くの項目で共通しております。2冊ともお手元にあれば、その違いや共通点を見比べることができますので、一段とお役に立つかと思います

 

 

 

―貴重なお話しありがとうございました。今回インタビューしたレポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

クローン病の患者調査
既存治療に対する不満点、新薬に対する期待を調査