第33回は、2023年2月20日に発刊した『全身性強皮症(SSc)の患者調査』です!
全身性強皮症の治療で医療機関を受診している158人を対象に、医療機関を受診するまでの経緯や受診状況、皮膚硬化/肺線維症の治療実態、「リツキサン」による治療実態、治療のアンメットニーズ、生物学的製剤や効果の高い飲み薬のニーズ等を集計・分析した当レポートについて、弊社リサーチャーの水上徹に調査のポイントについてインタビューしました!
水上 徹 プロフィール
リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Medical
係長 水上 徹
—Profile—
現在はMedical関連の患者調査、ドクター調査および独自調査を行っている。
―なぜ今回全身性強皮症の調査を行ったのですか?
水上:全身性強皮症は膠原病の1つであり、罹患すると皮膚症状のほか、多様な全身症状がみられ、女性が大多数を占めるのも特徴的な病気です。
本調査においては、全身性強皮症の患者さんのほぼ全員に発症しうる皮膚硬化症状、そして可逆的な治療法がない肺線維症症状を中心に、現状の治療状況や治療満足度、また近年、全身性強皮症の治療として、承認された「リツキサン」の治療実態について、実情を知りたいと考え、調査を実施しました。
―今回の調査で、明らかになったことは何ですか?
水上:まず薬剤の治療満足度についてですが、各症状および総合的にも低く(他の疾患の結果と比較)、現在の治療ではあまり満足されていませんでした。
こうしたなかで、2021年9月に生物学的製剤の「リツキサン」による治療が承認され、今回調査では“年齢が若い”“全身症状の診断あり”“重要度が高い”人によく使用されている結果となっていますが、現状で効果を実感している人は全体の半数にとどまり、今後も高い効果を有する新薬の上市が期待されていくかと思われます。
―今後の治療ニーズはどうでしたか?
水上:アンメットニーズ(不満)の部分からみると、全身症状の(診断)有無により、ニーズがわかれているイメージでした。
具体的には、全身症状がある人は、皮膚硬化や肺線維症、その他症状が改善されないことや副作用の強さ(多さ)を挙げる人が多く、一方で全身症状のない人は、毎日のお薬の服用を不満に挙げた人が最も多くなりました。
このような回答傾向から、全身症状がある人は症状の改善や安全性を求める声が多く、全身症状がない人は、症状に関することよりも、治療しやすさ(利便性)を求めている結果となっています。
―では、生物学的製剤の今後のニーズはどうでしたか?
水上:生物学的製剤については、基本的なスペックをご覧いただいたうえで、使用意向を伺ったところ、使用したいと回答された方は全体の半数近くでした。
また、現状と重なるイメージになりますが、年齢が若い、全身症状あり、重症度が高い人で治療意向が高く、加えて「リツキサン」治療経験がない人よりも、ある人の方が高い結果となっています。
本調査に関しまして、少しでもご興味・ご関心をお持ちいただけた際には、ぜひ実際のレポートをご覧いただければと思います。また、3月には本レポートのweb説明会を予定しておりますので、宜しければお気軽にお問い合わせください。
―貴重なお話しありがとうございました。今回インタビューしたレポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。
全身性強皮症(SSc)の患者調査
「リツキサン」の治療効果が高いと感じたのは治療経験者の半数/生物学的製剤の使用意向が高いのは患者全体の半数近く