第49回は、2023年6月30日発刊の『2023年 脱炭素関連製品の事業戦略調査』です!
資源循環分野における脱炭素関連製品について、“総市場編”、“リサイクルプラスチック編”、“バイオマスプラスチック編”に分けて調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの伊藤広大に調査のポイントについてインタビューしました!
伊藤広大 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ
伊藤広大
—Profile—
2016年の入社から2年間生産財チームで、ケミカル関連の調査を担当。2018年からは、心機一転消費財チームの一員として、飲料や乳酸菌関連の調査を行った。その後、2021年に生産財チームにカムバックし、現在はプラスチックやカーボンニュートラル関連の調査を進めている。
―なぜ今回、脱炭素関連製品の調査を行ったのですか?
伊藤:消費者の地球温暖化に対する関心が高まる中、企業が継続的に成長する上で重要なテーマであると感じたからです。これまで、多くの企業が脱炭素に向けた取り組みについて、事業拡大を妨げるコストと考えてきました。しかし、パリ協定が2015年に採択されたことを皮切りに、世界中の国々や企業が脱炭素を成長のチャンスとして捉えるようになりました。例えば、世界的な消費財メーカーであるThe Coca-Cola Companyは、2030年までに全てのPETボトルに対して、リサイクルプラスチックまたはバイオマスプラスチックを使用することを発表。また、Unileverは2025年までに使用するプラスチックの25%をリサイクルプラスチックに置き換えることを目標に掲げ、消費者や投資家からの支持獲得を図っています。
こうした中、今回は炭素資源の循環に貢献するリサイクルプラスチックとバイオマスプラスチックについて調査し、これらを事業展開するためのポイントは何か、どのような業界構造となっているのかを明らかにしました。
―そうなのですね。今回の調査にあたって、事業動向はこうなっているのではないか、という仮説はありましたか?
伊藤:リサイクルプラスチックとバイオマスプラスチックの需要が拡大しているとは言え、石油由来のプラスチックと比べて製造コストが高いため、いかに製造コストを低減するかが事業拡大のカギになっているのではないかと考えました。
―なるほど。実際、今回の調査結果は仮説通りになったのでしょうか?
伊藤:はい。確かに、リサイクルプラスチックとバイオマスプラスチックを展開する多くの企業は、高い製造コストを課題として考えており、課題克服に向けた活動に注力していました。例えば、ケミカルリサイクルプラスチックの分野では、従来とは異なるリサイクル技術を取り入れることで、大規模な設備投資を必要としないリサイクルスキームを構築。さらに、バイオマスプラスチック分野ではマスバランス方式を採用し、同プラスチックを既存のラインで製造できる体制を敷くなど、コスト低減を実現するための取り組みが散見されました。
―リサイクルプラスチックとバイオマスプラスチックを展開する上で”製造コストの低減”が、重要なキーワードとなっているのですね。最後に、今回の調査のここに注目してほしい!というポイントを是非聞かせてください。
伊藤:特に、リサイクルプラスチック事業を展開する企業の提携状況にご注目いただきたいです。提携状況では、ケミカルメーカーやリサイクル業者、ベンチャー・スタートアップ、石油元売り、プラスチック加工業者、消費財メーカーなど、企業同士のつながりを視覚的に把握できるようマッピングしております。これにより、各リサイクルスキームにおいて、どのように炭素資源が循環しているのか、事業として収益化しているのか、どのような企業がリサイクルに貢献しているのかなど、把握することができます。ケミカルメーカーはもちろん、プラスチック加工業者や消費財メーカーのご担当者様にとってもリサイクルプラスチック事業を開始・拡大する上で、ご参考いただけるかと思いますので、ぜひご試読ご検討いただけますと幸いです。
―本日は貴重なお話しありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2023年 脱炭素関連製品の事業戦略調査」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。