第50回は、2023年6月26日発刊の『2023年女性の美容に関する意識・実態調査(第5弾)』です!
女性の美容に対する考え方や、化粧品の利用実態、肌や髪、体の悩み、化粧品以外の取り組み、活用している情報源やアプリなどを調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの任倩怡に調査のポイントについてインタビューしました!
任倩怡 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ
任倩怡
—Profile—
中国・広東省出身。
2019年に来日し、大学院で日本のテレビドラマを研究していた。
2023年に入社後、化粧品分野で主に消費者調査を担当している。
趣味は映画とドラマを観ること。
レッサーパンダ好き。
―今回の定点調査は、2019年の調査から5回目になりますが、どのような変化が期待されていましたか?
任:コロナ禍が収まってきたので、スキンケアやメイクアップについては、在宅時間で身につけた習慣が維持されているのか、それともコロナ前のスタイルに戻るのか、その結果を楽しみにしていました。
また、今年の環境的な変化として、3月13日以降、マスクの着用が個人の判断に委ねられることになりました。その時点までの1年での美容に関する変化や、それ以降の美容の取り組みに対する意向などについて、設問を設けました。脱マスクの流れのなか、スキンケアやメイクアップに対する関心や意欲も一層高まっていくのではないかと期待していました。
―なるほど。実際の調査結果には、どのような変化がみれらますか?
任:スキンケアの意識については、例えば「スキンケアで意識していること」という設問で、「化粧品を手で付けるようにしている」「洗顔は泡立てている」など、ほとんどの選択肢の出現率が2022年より上がっているので、コロナ禍の在宅時間で身につけた丁寧なスキンケア習慣は持続していると考えられます。
しかし、「美容のために行っている化粧品以外の日頃の取り組み」という設問では、約半数の選択肢の出現率が2022年より10ポイント以上下がっています。2019年と比べたらほとんどが少し増えているとはいえ、かなり意外な結果でした。化粧品以外の取り組みをやらなくなったわけではなく、日常の習慣化につれて、「美容のためにやっている」という意識が弱くなっただけではないかなと推論します。
この1年でのスキンケアに関する変化は、年代によって異なっています。スキンケアにかける時間とお金、使用アイテムや購入頻度は、この1年で若年層ほど増えた人が多いです。具体的な化粧品アイテムの使用頻度にみると、20・30代は外出やメイクをする機会が増えてきたことで、「クレンジング」の使用も多く増えています。一方、「オールインワン」の使用率が全体的に年々下がっているなか、美容へ関心が比較的に低い60・70代は、「オールインワン」をより頻繁に使用しています。
また、メイクアップに関する変化について、脱マスクの流れのなか、2023年「口紅・リップスティック」の使用率は約5割で、2022年より4ポイント増加しています。
マスク緩和後のスキンケアやメイクアップについて、いずれの年代でも、この先より積極的に取り組む意向が伺えます。今年だと、高年層の美容への関心が低下しているように見えますが、来年の調査ではどうなるか、楽しみですね。
―ほかには、なにか面白いポイントがありますか?
任:今回の消費者調査でも、クラスター分析を行っていましたので、そこを注目してほしいですね。
今回の調査対象者は、「コンシャス」、「コスメラバー」、「ビューティエイジング」、「コスパ・タイパー」、「ビューティ・マス」、「セーフティ」、「ノー・リーズン」の7つのタイプに分類されました。価値観・ライフスタイルに関する設問をもとにした分け方なんですが、今年の7つのタイプがちょうど、「コンシャス、コスメラバー、コスパ・タイパー、ノー・リーズンは若・中年層が中心層」、「ビューティエイジング、ビューティ・マス、セーフティは中・高年層が中心層」というふうに分けています。中心層が近いクラスター同士でも、それぞれの美容に対する意識にはっきりとした差があって、特徴が掴みやすいと思います。
あと、今年新しく追加した設問にも、面白いデータが多いです。
例えば、去年までは、化粧品を購入する決め手となる情報源のみを調査していましたが、今年の調査では化粧品を知るきっかけと購入する決め手に分けて尋ねました。知るきっかけとして、「家族・友人」が最も多く、購入の決め手について、「店頭の商品パッケージ」を見てから決める人が最も多いです。「認知」から「購入」までの参考情報源をみると、身近な人やマスコミから情報を受け取り、店頭で実際に見てから決めるのが一つ主なプロセスだと考えられます。
また、肌悩みに関する設問では、現在気になっている肌の悩みについて聞いたうえで、マスクの着用が個人判断となった後、それぞれの肌悩みを持つ人がその肌悩みを意識的にケアしたいかどうかを尋ねました。その結果、「シミ・そばかす」「たるみ」については、現在気になっている人が多く、マスクを外すことになった場合にケアしたい意向も強いです。また、「毛穴」の悩みや「ニキビ」など、マスクで隠れる部分に多発する肌トラブルについては、脱マスクの流れとともに、肌悩みを持つ人が入念にケアする意識も高まっていくとみられます。
―いろんな新しい発見がありますね!ちなみに、今注目の商品やトレンドとかはありますか?
任:年代を分けてみると、若年層ではビタミンC配合の化粧品ですかね。
「WebやSNSで美容の情報を検索する際に使用するワード」という自由回答の設問で、「美白」という言葉は年代不問で多く検索されていることがわかります。さらに20・30では、毛穴に関する肌トラブルは、「現在気になっている肌の悩み」で出現率の上位に挙がっています。これらのスキンケアのニーズに応じられる成分といえば、「ビタミンC」が最初に出てくるでしょう。実際、20・30代では「スキンケアで現在ビタミンCを取り入れている」人がそれぞれ約4割で、今後の「ビタミンC」を取り入れる意向も高いです。
そこで代表的なブランドは「メラノCC」です。スキンケアブランドの認知と使用についての設問で、「メラノCC」は認知度でトップ10のランキング外なのに対して、現在の使用率と今後の使用意向ではそれぞれ4位にランクインしています。しかも、20・30代に限っては、現在使用しているブランド2位、今後も使用したいブランド1位となっています。プチプラかつ有効成分がわかりやすくて、若年層ではとても人気ですね。これからは外出の増加と脱マスクの流れでさらに伸びるでしょう。
中・高年層での注目商品は「シワ改善コスメ」です。
この定点調査では2020年から「シワ改善コスメ」を「美容に関するキーワード」として取り上げていますが、ここ4回の調査で認知度が17ポイント上がりました。今年で初めて調査した関心度についても全体の2位にランクインして、年代別にみると、40~70代での関心度はそれぞれ約20%です。
「シワ改善コスメ」の使用率も増加し続けていて、今年は11.6%で、2020年と比べて7ポイント増えています。特に40代では8ポイント、60代では10ポイント、70代では12ポイントと、2020年より高まっています。
―年代別で傾向を読むのも面白いですね!では、最後に一言お願いします。
任:今回の資料は、これまで調査したものを引き継いできたほか、話題となっているものや、実態と意向を深堀するような設問も追加しましたので、消費者の本音をより一層読み取れるではないかと思います。意識の変化を把握したり、提案資料のデータソースとして利用したりすることなど、ご活用いただければ嬉しいです。まだ一度も資料を見られたことがない方も、過去の資料をご購入頂いた方も、少しでもご興味ある方は是非ご連絡をお待ちしております!
―本日は貴重なお話しありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2023年女性の美容に関する意識・実態調査(第5弾)」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。