第58回は、2023年8月18日発刊の『2023年 頭髪化粧品の市場分析調査』です!
ヘアケア、ヘアカラー、ヘアメイク、育毛商品の各分野を徹底分析。大手ブランドから新興系まで幅広いブランドを対象に、各ブランドの発売経緯やコンセプト、商品展開、販売高、販売方法などを調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの北口貴一、池本マーシャ、今奥絵梨花に調査のポイントについてインタビューしました!
北口貴一 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty
主任 北口貴一
—Profile—
2017年の入社以降、医療用医薬品、Healthチームを経て2019年より化粧品チームに所属。現在では海外のマーケット調査や化粧品原料・OEMのコンサル業務なども担当している。
趣味はブーランジェリー・パティスリー巡り、マチナカ散歩、野球観戦(日本ハムファイターズ推し)。
MBTI診断(16パーソナリティ)は”主人公”タイプ。
池本マーシャ プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty
池本マーシャ
—Profile—
2017年の入社当時から化粧品分野でマーケット調査を担当。
主にスキンケアやヘアケアなどに関する市場レポートの作成に従事している。
化粧品検定1級を取得し、コスメコンシェルジュの資格も持っている。
趣味は美味しいご飯を食べることで、毎日ランチはお気に入りの店の定食を食べている。
MBTI診断(16パーソナリティ)は”仲介者”タイプ。
今奥絵梨花 プロフィール
リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Beauty
主任 今奥絵梨花
—Profile—
2017年に入社以降、健康食品などヘルスケア領域のマーケット/コンシューマー調査を担当。
2020年より化粧品チームに所属し、現在は主にスキンケア関連のコンシューマー調査やマーケット調査、企業のマーケティング相談への支援などを担当している。
趣味は舞台・ミュージカル鑑賞で休日はたまに東京に舞台を観に行くことも。
MBTI診断(16パーソナリティ)は”擁護者”タイプ。
―なぜ、今回頭髪化粧品に関する調査を行ったのですか?
北口:人口の伸び悩みなどで国内の化粧品市場は頭打ちとなっていますが、こと頭髪化粧品に目を向けると、2010年代後半以降、コロナ禍を経て大きく市場環境が変化しております。
例えば、頭髪化粧品全体の5割以上のシェアを占めるヘアケアでみると、従来同市場は花王やユニリーバ、P&Gなど大手企業のマスブランドが市場の成長を牽引してきましたが、スモールマス化が進んだ結果、近年はボタニカルの価値を全面に打ち出したI-neの「ボタニスト」に代表される多くの新興ブランドが存在感を際立たせるなど、キープレーヤーの勢力図に大きな変化がみられるようになっています。
こうした市場環境の変化に対して、多くの化粧品や原料、OEM企業様から最新の市場動向や各社のブランド戦略を詳しく知りたいというお声をたくさん頂いたため、前回の調査から2年ぶりに頭髪化粧品の調査を実施することにしました。
―なるほど、そういった背景があったのですね。
2022年の頭髪化粧品の市場調査について、調査前はどのような仮説を持っていたのですか?
池本:ヘアケアについては、ここ数年ドラッグストアに行くと棚の前面に新しいブランドが並んでおり、次々と1,000円以上する商品が発売されている印象でしたので、調査前はヘアケア市場は活況を呈し伸びているだろうと考えていました。
また育毛商品については、「ニューモ」が300億を超えた反動で落ち込んでいたので、それに伴い市場も落ち込むとみていました。
このほか、ヘアカラーはコロナが落ち着き自宅染めからサロン染めが増えているとの想定で縮小、ヘアメイクはコロナ直後の大幅な減少から回復基調との予測をしていました。
―実際に調査をして、結果はどうでしたか?明らかになったことは何ですか?
池本:実際に調査してみると、ヘアケアでは確かにプレミアム価格帯のブランドは概して好調に成長しており、急激に伸びている新興ブランドには驚きました。一方、マスブランドの落ち込みが想定していたよりも顕著であったことから、市場は微増で留まりました。
ほかの育毛商品、ヘアカラー、ヘアメイク分野は想定に近い結果でしたので、頭髪市場全体でみると微減という結果でした。
また、2023年の見込みにおいては、マスブランドの落ち込みに加え、新興ブランドの伸び悩みも見受けられ、頭髪市場全体では縮小する見通しです。
これは、脱マスクに伴いメイクアイテムに支出を回す女性が増えつつあり、その分”ヘアケアにかける金額を抑えよう”といった心理があるのではないかとみています。
また、今日の物価上昇により消費者の財布の紐が固くなっている可能性があるので、今後は競合との差別化につながるユニークなコンセプトの提案や、未開拓ユーザーへのアプローチが市場拡大のための重要なポイントとなると考えています。
―確かに、コンセプトは大事ですよね。
具体的に、近年注目が高まっているコンセプトなどはありますか?
今奥:ヘアケアの分野では、”スキンケア発想”のコンセプトが近年人気となっています。例えば、I-neの「YOLU」に代表されるナイトケアシャンプーや、H2Oの「ululis」などのブランドが謳う保水美容がそれにあたり、睡眠中の摩擦ダメージから髪を守る、髪を保湿するなど、スキンケア製品のようなアプローチで美しい髪に導くという訴求が、若い女性を中心に注目を集めています。
実際、最近人気のブランドはパッケージやブランドサイトを見ても、まるで化粧品ブランドのようなおしゃれなデザインが増えており、小売に採用されるポイントの1つにもなっているかと思います。
また、成分面でみても、コラーゲンやプロテインなど肌・髪に良いと言われる美容成分を配合している商品も多く、”美容液シャンプー”などといった謳い方をする商品も目立ってきており、スキンケアの考えをヘアケアに取り入れるというコンセプトが今後主流になるのではとみています。
―最後に、今回の調査のここに注目してほしい!というポイントがございましたら、是非ともお聞かせください。
池本:今回の大きな変更点としては、企業単位からブランド単位に見方を変えたことです。キープレーヤーとなるブランドのほか、前回は掲載していなかった通販ブランドや、注目すべき成長著しい新興ブランドも加えました。また、個別ブランド編では、補足のページで商品施策や販売施策、社会貢献活動など、各ブランドに沿った特筆すべき展開を記載しており、読んでいて面白い内容になっているのではないかと思います。
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―本日は貴重なお話しありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2023年 頭髪化粧品の市場分析調査」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。