第64回は、2023年10月6日発刊の『パーキンソン病の患者調査』です!
パーキンソン病と診断され、その治療のために医療機関を受診している患者本人(104人)もしくは患者の同居家族(340人)444人(患者:最年少25歳、最年長103歳)を対象にアンケート調査を実施した当レポートについて、弊社リサーチャーの水上徹に調査のポイントについてインタビューしました!
水上徹 プロフィール
リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Medical
シニアアナリスト 水上徹
—Profile—
入社してからほとんどの期間で、Medical関連の調査を担当。
現在はMedical関連の患者調査、ドクター調査および独自調査を行っている。
―なぜ今回、パーキンソン病に関する調査を行ったのですか?
水上:パーキンソン病に関しては、患者さん・ドクターへの調査のいずれも、弊社ではこれまで定期的に行ってきました。
このうち、ドクターへの調査は2021年後半に行いましたため、今回は2019年以来となります、患者さんへの調査を実施いたしました。
これまでも、患者さんご本人と同居するご家族さんの両方に調査を行ってきましたが、これまでにない新しい見方として、同居するご家族さんの介助・介護の実態についても、今回は調査を行っています。
これは、パーキンソン病で重症度が上がり、症状が進行すると、介助・介護なしでは生活が難しくなるケースも多いことから、こうした実態を明らかにしたいと考えたからです。
―では、同居するご家族さんによる介助・介護の実態はどうでしたか?
水上:まず、介助・介護の内容を大きく「外出時の同行/病院への付き添い」「歩行」「衣服の着脱(着替え)」「食事」「入浴」「排せつ(トイレ)」「(寝ている状態からの)起き上がり」と7つにわけましたが、このうち最も多くのかたが行っている介助・介護は「外出時の同行/病院への付き添い」で6割近くとなりました。
また、これら介助・介護を行っているかたについて、それぞれ負担を感じている割合をみますと、高い順に「排せつ(トイレ)」「入浴」「歩行」となり、不衛生を伴うもの、比較的体力(力)が必要となる介助・介護において、負担を感じている傾向がみられました。
―このほか、調査で明らかになったことはどのようなことでしたか?
水上:はい、パーキンソン病の治療に対する取り組み状況を伺ったところ、“積極的に取り組めている”かたは7~8割となり、多数で治療アドヒアランスが高い結果となりました。
一方で、重症度が高いかた(ヤールの重症度分類でⅣ度・Ⅴ度にあたる)では、“積極的に取り組めている”かたの割合が比較的低く、症状の重さにより、結果に差がつくかたちとなっています。
また、パーキンソン病でも開発が行われています、再生医療(iPS細胞を用いた細胞移植治療)についてのニーズを伺いました。その結果、現状で治療意向が判断できるかたでは、そのほとんどが“興味があり”、またそのうち6~7割で“受けてみたい”と回答されたことから、治療に対する期待度の高さがあらわれる結果となりました。
本調査レポートにつきましては、こちらでご紹介した内容のほか、パーキンソン病患者さんの症状がでてから診断されるまでの経緯や現在の医療機関での治療実態など、様々なデータを分析しております。
少しでもご興味・ご関心をお持ちいただけましたら、実際のレポートをご案内させていただければと思いますので、ご希望頂けます際にはお気軽にお問合せいただければと思います。
―本日は貴重なお話しありがとうございました。
今回インタビューした「パーキンソン病の患者調査」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。