第68回は、2023年11月17日発刊の『2023年 健康食品企業のR&D戦略調査』です!
主要健康食品企業のR&D戦略を、組織体制、R&D費・人員、注力テーマ、特許、産学官との提携状況などから多角的に分析し、今後の展望について調査を行った当レポートについて、弊社リサーチャーの堀越滉平、佐藤照穂、前田雅俊に調査のポイントについてインタビューしました!
堀越滉平 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Health&Food
堀越滉平
—Profile—
2018年の入社当時から健康食品分野で主にマーケット調査を担当している。
これまで健康食品通販や乳酸菌関連商品、健康食品R&Dなどの調査を行った。
趣味は野球観戦で、大の阪神ファン。長年諦めず応援した甲斐もあり、今年は38年ぶりの「アレのアレ」を達成。
来年は悲願の「アレンパ」を目指し、引き続き甲子園球場での現地応援に励む。
佐藤照穂 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Health&Food
佐藤照穂
—Profile—
2018年中途入社。前職の経験を活かし、加工食品に関連したレポートを広く担当。
2019年には一時的に医薬品関連のレポートにも携わり、他領域への知見を深める。
現在はHealth&Foodチームにて、研究開発や海外動向に関連したレポートを中心に担当している。
ボードゲームは二十年来の趣味。毎週水曜日のノー残デーは、行きつけのボドゲBarに直行。
前田雅俊 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Health&Food
前田雅俊
—Profile—
2022年に入社後、ヘルス分野で主に通販健康食品のマーケット調査を担当。
現在は、知見を広げるために様々な分野のレポート作成に関わっている。
趣味はMMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)、最近は操作にこだわるために片手キーボードを購入。
―なぜ、今回は健康食品企業のR&Dに関する調査を行ったのですか?
堀越:現在も拡大を続けている健康食品市場は企業の方々からの注目度が高く、また研究開発についても動向を知りたいという声を多くいただいています。また、前回の2020年度版をご購入いただいた企業様からは、コロナによる変遷を確認したいというお問い合わせをいただいており、我々リサーチャーにとっても健康食品市場の動向を知るために重要な要因と考えて、今回の調査を実施いたしました。
レポートでは、各社がどのようなコンセプトをもとに研究開発を進めているのか、今後どのような研究活動を考えているのかなどを明らかにすることで、皆様の今後の戦略策定のお役に立ちたいと考えております。
―なるほどそのような背景があったのですね。
では、今回の調査で各社のR&D活動についてどのようなことが分かったのでしょうか?
佐藤:R&D活動については、各社が新成分の開発や新たな機能性研究などに注力しており、主要企業21社における2021年以降の主な研究成果では、機能性に関連する研究が約6割を占める結果となりました。例えば、日常生活のトラブルに関する機能性では、栄養素補給、免疫対策、認知・記憶力向上、ロコモ対策、美容、生活習慣病に関する研究では、整腸作用、血糖値対策、脂肪・糖の吸収抑制、体脂肪の低減、血圧・血管・血流対策といったヘルスクレームの研究が多くなっています。
また、各社は独自の製法・技術を活用した製剤化研究を実施するなどして、健康食品事業のさらなる発展に努めていることが分かりました。例えば、明治ホールディングスでは乳酸菌末の製品化に向けた乾式せん断処理法による複層コーティング粒の設計を行ったほか、森下仁丹では胃や小腸では溶けず大腸まで届くカプセル技術を確立して、多様な機能性素材への活用を行っています。
このほか、コロナ禍による消費者ニーズへの対応、パーソナライズ化への動き、AIを活用した検査や分析、SDGsへの取り組みなど、最近のトレンドに合わせた動きも見られました。
―各社さまざまな取り組みを行っているのですね。
ちなみに、コロナ禍によって研究開発動向はどのような変化があったのでしょうか?
前田:コロナによって消費者ニーズが増加した「免疫」や「ストレス」、「睡眠」に関する研究が加速していることや、健康志向の高まりによって「整腸作用」や「血糖値対策」、「体脂肪の低減」といった生活習慣病対策に関する研究に注力する動きが活発になっていることが分かりました。
また、近年は薬機法の広告規制などの影響でエビデンスの差別化が難しくなっているほか、異業種からの参入が相次ぎ競争環境も厳しくなっているために、自社の研究だけでは対応することが難しくなってきています。そのため、他の民間企業や教育機関、公的機関などが保有する技術やアイデアなどの知的財産を組み合わせて、革新的な商品やビジネスモデルを生み出そうとするオープンイノベーションの動きが広がっています。
当レポートでは、これらのポイントについて研究成果や研究により生み出された商品、産・学・官別の提携企業などを掲載することで分析をしやすくしております。
―レポートでは各社の研究開発の動向を具体的に確認できるのですね。
その中でも、レポートの見所や注目してほしいポイントはどの部分になるのでしょうか?
佐藤:今後の研究開発において重要なポイントとして、①「高齢化対策」、②「組織間の連携強化」、③「データサイエンスの活用」の3つを挙げて、各社の動向や今後の方向性を分析しております。
①については、拡大するシニア向け商品のニーズに対応するために、”認知・記憶力向上”、”ロコモ対策”、”フレイル対策”に関する独自素材の機能性検証などを実施する企業が増加しています。
②については、エビデンスの強化や他社との差別化のために、各社が組織内の異なる部門や大学、他社の研究機関と連携を図ることで、新たな価値の創出を目指しています。
③については、医療関連のビッグデータを解析して、疾病や栄養状態と年齢・性別・健康状態・生活様式などの関係性を明らかにする取り組みや、パーソナルなサービスなどを展開していく上でのエビデンスとして、データサイエンスの活用を行っています。
当レポートでは、これら3つのポイントに着目してとりまとめを行っておりますので、今後の研究開発の方向性を考える上で、ぜひご確認いただきたければと思います。
―なるほど、それら3つのポイントが見所になるのですね。
では、ポイントを含めて各社の研究開発をどのようにレポートに掲載しているのでしょうか。
堀越:「高齢化対策」、「組織間の連携強化」、「データサイエンスの活用」の3ポイントについて、各社の具体的な事例を用いて、研究成果や今後の方向性を紹介しています。ほかにも、主要健康食品企業のR&D戦略を、研究体制や動向、R&D費・人員、研究成果や注力テーマ、特許や産学官との提携状況など多角的に分析してレポートにまとめていますので、今後の事業計画にご活用いただける内容になっているかと思います。
健康食品のご担当者のみならず、様々な領域のご担当者様にもご活用いただける内容になっておりますので、レポートをご確認いただけましたら幸いです。
―本日は貴重なお話しありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2023年 健康食品企業のR&D戦略調査」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。