第71回は、2023年5月11日発刊の『2023年 疲れの実態と対策調査』です!
20~70代の男女の疲れの症状、日常生活への影響、疲れに対する考え方、疲れ対策商品の摂取実態などを調査。さらに、性別、年齢層別に加えて、「マルチタスクタイプ」「エイジングタイプ」「ブレインタイプ」「メンタルタイプ」「フィジカルタイプ」の5つのクラスターでも分析した当レポートについて、弊社リサーチャーの森井まゆ子、福井淑乃に調査のポイントをインタビューしました!
森井まゆ子 プロフィール
リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Health&Food
課長 森井まゆ子
—Profile—
入社以来、ヘルスケア領域を担当。
上司からの「仕事の原点はお客さん」という言葉と、
「事件は会議室で起こっているのではない、現場で起きている」をモットーに、
年間200件近くのオンラインミーティングを実施。
日々変化する顧客ニーズに向き合っている。
2024年1月小豆島で開催された瀬戸内海タートルハーフマラソンを完走。
福井淑乃 プロフィール
リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Health&Food
データアナリスト 福井淑乃
—Profile—
入社当時は加工食品分野で市場調査や独自調査を担当。
2019年にヘルスケア領域の担当となってからは、消費者調査を専門に調査を行っている。
最近はミラーレス一眼カメラを購入し、旅行先での撮影や周辺機材の収集を楽しんでいる。
―日本は疲労大国といわれて久しいですが、なぜ、今のタイミングで「疲れ」調査を企画したのでしょうか。
森井:デジタル社会になり、新しい「疲れ」の概念が出てきました。それは、「脳疲労」です。デジタル疲労ともいわれますね。背景には、生活のONとOFFすべてでデジタル漬けになっていることが挙げられます。
ONである勉強や仕事などでパソコンは必須ですし、OFFでも、Instagram、XなどのSNSはもちろん、YouTubeなどの動画サイト、さらには、Amazonプライム、NetFlixなどの動画鑑賞など、多くの時間でデジタル漬けを自覚している人も多いのではないでしょうか。
現在、「脳疲労」の正式な定義はまだなく、弊社では下記のように定義しました。「脳疲労とは…脳を使い過ぎて疲れている状態のことを指します。スマホやPC による情報過多な状態やストレスなどが原因で起こるとされており、症状が進むと自律神経のバランスが乱れ、心身に不調をきたす恐れがあります」
今回、自身が脳疲労に該当するとおもうか、という質問に対して、「(やや)該当するとおもう」人は83.9%に上りました。若年層ほどその傾向は強く出ています。
―「脳疲労」…最近聞きますね。どんな人が該当するのでしょうか。。
福井:レポートでは、脳疲労該当者の分析ページを作りました。中心は「女性若年層」、属性は「会社員」、特性は「仕事が忙しい・ストレスやプレッシャーを感じやすい・少しでも空き時間ができたらスマホを触る」、悩みは「しっかり寝ているのに疲れがとれない・朝起きれない・思考力が低下する」などです。インタビューをお読みのかたにも、自身が当てはまる……、該当者が近くに……という方が多いかもしれませんね。
今回、自己診断疲労度チェックを実施したのですが5割のひとが「危険ゾーン」に該当し、特に、女性若年層が当てはまる結果でした。脳疲労が危険ゾーンに誘因しているのではないかと思います。
―TPCにも当てはまる女性が多いように思います。どんな対策をしたらよいのでしょうか。
森井:流行りのキャンプやデジタルデトックスによる効果はあるとおもいます。自然に自分の身を任せる、スマホを気にせず半日過ごしてみる、などでデジタルとの付き合い方が変わってくるかなとおもいます。わたし自身高知でテレワークすることが多いのですが、SNSや情報に振り回されなくなった実感がありますね。
ですが、実際はなかなか難しいですよね。
リポビタンDに代表されるドリンク剤や錠剤に加え、レッドブルなどのエナジードリンクやキレートレモンなどの機能性飲料、さらに、高麗人参・にんにくなどのサプリメントなど手軽に対策できる商品が多いですね。
最近は、疲れ対策の機能性表示食品が増えていますが、今回の調査ではヤクルト1000が現在摂取率2位にランクインしました。期待した効果は、①不眠の改善②疲れの予防③朝の目覚めの改善です。疲れは、睡眠、ストレスとも密接に関連していることがわかります。疲れ領域は、カテゴリーやブランドに男女差があるのが特徴ですが、今後はジェンダーレス商品が主流になるかなとおもいます。実際にトップ10の商品をみると、ヤクルト1000ユーザーのみ男女差が極めて少ないことがわかりました。
また、リラックスを訴求したCHILLOUT(チルアウト)もあてはまりますね。
―そうなんですね!対策商品も多く疲れ市場は見えにくいと思いますが。。
森井:疲れ原因の1位は、「加齢による体力の衰え」です。年齢を重ねるとそうなりますよね。
チョコザップの会員は50代以上が3割を占めるとのこと。そうするとプロテインも対策商品になり「疲れ」市場が見えにくい、といわれる所以なのかとおもいます。
今回、特定ブランドの魅力を感じた広告表現やその理由をフリーアンサーで聴取しており、ブランドマネジャーのかたにも「ツカエル」と高評価です。
―疲れ市場の見える化が今回の売りでしょうか。
森井:ズバリそうです笑。「疲れ」だけを調査しても「疲れ」の本質には届きません。疲れの症状、疲れの原因、疲れ対策商品など市場と消費者の両面を把握した設問や選択肢の設定が非常に重要といえます。また、「今」の市場を踏まえた商品・ブランドに精通していないと「ザバス」を選択肢にいれることはないかなと思います。弊社では、プロテイン調査も実施しており、プロテインに「疲れにくい身体」を求める人が4割を占めることを把握していたので対応できました。点でなく線でみることもが重要かと思いますし、重なり度合いをみることでより消費者像がくっきりと明確に浮かび上がるイメージです。
―関連レポートはすべて買っていただいて、ターゲット顧客の理解を深めることが重要ということでしょうか。
森井:できれば笑。疲れレポートを購入していただいた4割のお客さまに「睡眠」「ストレス」のレポートも購入いただいております。線と重なりを把握したいというご希望ですね。
また、TPC消費者調査の強みであるクラスタ分析は今回も非常に面白く興味深いです。まず、「マルチタスクタイプ」は疲れを予防して仕事もプライベートも充実させたいタイプです。男女ともに「中年層」が多く、仕事や家事で日常的にマルチタスクをこなし、疲れにくい体づくりを意識しており、ヤクルト1000やザバスを摂取し、睡眠や筋トレなどの疲れ対策に励んでいる、、、など、ここまででも充分面白さは伝わるとおもいますが、それ以外に調査票に様々な仕掛けをしているのが、TPC消費者調査の強みです。研究開発、マーケティング、販促などあらゆるお客さまに支持されているのは福井リサーチャーがテーマやお客さまの課題解決に寄り添っている証拠かとおもいます。ここまでユーザーの解像度を浮かび上がらせる調査はほかにはないかなと自負しております。
さらに、クラスタ分析をもとにペルソナ分析やカスタマージャーニー分析をオプションにて承っております。
―有料オプションの紹介までありがとうございます。
TPC消費者調査レポートの価値がさらに高まりますね!
最後に、記事をお読みのかたに一言おねがいします。
福井・森井:無料オプションもあります笑。まず、①出典名の記載で社内外データとして活用OKです。まだデータを存分に活用しきれていないお客さまがいらっしゃるかもしれません。今からでもぜひご活用くださいませ。続いて、②オンライン報告会です。これは、お客様が膨大なレポートを読み込む時間がない中でも、リサーチャーとディスカッションしながらそのテーマやユーザー理解が深められるメリットがあります。そして、③ご要望のクロスデータのご提供です。仮説検証のためのデータ把握がいち早くできとても好評です。例えば、疲れだと、ドリンク剤・機能性飲料・OTC医薬品・サプリメントなど剤型別のユーザー特徴も興味深いです。
TPCでは、ご購入前に30分程度でレポートをご試読いただけるオンラインミーティングを実施しています。
日時など気軽にご相談くださいませ。
お待ちしております!
―本日は貴重なお話ありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2023年 疲れの実態と対策調査」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。