第74回は、2024年1月23日発刊の『2024年 脱炭素関連製品の事業戦略調査』です!
脱炭素関連製品における次世代電池材料について、集計分析編と個別企業編に分けて調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの伊藤広大に調査のポイントをインタビューしました!
伊藤広大 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Chemical
伊藤広大
—Profile—
2016年の入社から2年間生産財チームで、ケミカル関連の調査を担当。2018年からは、心機一転消費財チームの一員として、飲料や乳酸菌関連の調査を行った。その後、2021年に生産財チームにカムバックし、現在はプラスチックやカーボンニュートラル関連の調査を進めている。
―なぜ今回、次世代電池材料の調査を行ったのですか?
伊藤:次世代電池材料は、ケミカル関連企業が今後事業を拡大していくために、重要な製品になり得ると考えたからです。このように考える背景には、地球温暖化の進展に伴い、多くの企業が事業活動に伴うCO2削減を一層求められるようになっていることがあります。こうした中、エネルギー分野ではより高出力で安全性の高い次世代電池の需要が高まっています。そこで、弊社では次世代電池材料事業を調査することで、どのような事業戦略が有効なのか、今後市場はどのように成長するのかなどを調査いたしました。
―そうなのですね。今回の調査にあたって、事業動向はこうなっているのではないか、という仮説はありましたか?
伊藤:全固体電池向けの材料開発に注力する企業が多いのではないか、という仮説の下調査を行いました。このような仮説を立てた理由として、全固体電池は他の次世代電池と比較して、出力特性や安全性などのバランスが良く、最も実用化に近いと考えたからです。しかし、技術的な課題が山積しているため、事業として本格的に展開されるのは、2035年以降になるのではと考えていました。
―なるほど。実際、今回の調査結果は仮説通りになったのでしょうか?
伊藤:はい。確かに全固体電池向けを筆頭に材料開発に注力する企業は多数ありました。特に、2022年以降は硫化物系全固体電池の高出力化に貢献する正極材や電解質について、多くの研究成果が上がっていました。この理由として、EVの航続距離を延伸することが期待されている、同電池の需要が拡大していることがあります。
また、事業化のタイミングについては、仮説よりも早くなりそうな印象でした。このように考える理由として、多くの次世代電池材料メーカーが、自動車や蓄電池メーカーと連携することで、強力な事業推進体制を構築していたことが挙げられます。例えば、出光興産はEV用全固体電池の量産化に関してトヨタ自動車と協業。POSCO Holdingsは、Samsung SDI、LG Energy Solutionと正極材の長期供給契約を締結しており、事業化に向けた動きが急ピッチで進んでいました。
―事業化に向けた取り組みが活発化しているのですね。最後に、今回の調査のここに注目してほしい!というポイントを是非聞かせてください。
伊藤:当資料では次世代電池材料事業を調査しておりますが、同市場内のプレイヤーだけでなく、一部自動車および蓄電池メーカーの動向、各国・各地域における脱炭素関連政策を含め、包括的に調査しております。脱炭素や次世代電池などについて、少しでもご興味がございましたら、ぜひご試読ご検討いただけますと幸いです。
―本日は貴重なお話ありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2024年 脱炭素関連製品の事業戦略調査」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。