第75回は、2023年12月22日発刊の『2023年 敏感肌コスメの使用実態と今後の商品ニーズ(第2弾)』です!
敏感肌女性の敏感肌に対する意識、コロナ前後での変化、スキンケア・メイクの取り組み、主要な敏感肌スキンケアブランドの特徴、今後のケア意向などを調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの今奥絵梨花に調査のポイントをインタビューしました!
今奥絵梨花 プロフィール
リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Beauty
主任 今奥絵梨花
—Profile—
2017年に入社後、健康食品などヘルスケア領域のマーケット/コンシューマー調査を担当。
現在は化粧品領域において、主にスキンケア関連のコンシューマー調査や企業のマーケティング相談への支援、コンサルティングなどを担当している。
趣味は舞台・ミュージカル鑑賞やライブに行くことで、休日はたまに東京にも遊びに行く。
―今回、こちらの調査を行ったのはなぜでしょうか?
今奥:こちら、タイトルに「第2弾」とあるように、2021年に第1弾の調査を行っており今回約2年ぶりのリニューアルとなります。前回の調査では、コロナ禍真っ只中の時期に実査を行ったことから、やはりコロナの影響が強く表れた調査結果となりましたが、今回はコロナが5類に分類されマスク着用判断も任意になっていた2023年の10月に実査を行ったので、アフターコロナにおける敏感肌意識がどのように変化したのかを明らかにしたいと思いました。
また、マーケット面でも主要ブランドのリニューアルや「カルテHD」など急激に売上を伸ばしたブランドがあるなど動きが見られたので、ブランドポジションの変化も明らかにしたいという目的があり、今回調査を行いました。ちなみに、サンプル数は前回調査から倍の1,200名に増やすなど、より深い分析を行えるようにパワーアップしております。
―なるほど、そうなのですね。実際、コロナ前後でどのような意識変化があったのですか?
今奥:まず特徴的なところとしては、年代別構成比に変化が見られました。具体的には、前回調査では20代の構成比だけで約3割を占めていましたが、今回は約2割にまで減少しました。この理由として、2年前はコロナ禍の渦中にあったことからマスク着用をきっかけに特に若年層における敏感肌意識が高まっていましたが、今回調査時にはマスク着用が任意となったことでマスクを着けているときだけ肌が敏感になる「ときどき敏感肌」に該当する若年層女性が減ったからだと推察されます。
それでは、マスクを常時着用する人も減ったことから、敏感肌女性の人口ボリュームも少なくなったのか?という疑問が生まれますが、結論から言うと、敏感肌女性の人口ボリュームは2年前とほぼ変わりませんでした。つまり、2年前と比べて敏感肌女性の「中身」が変わったのだと言えます。
さらに、コロナ流行前、コロナ流行中、アフターコロナの3つの時間軸で敏感肌に対する悩み度合いを数値化し比較したところ、コロナ流行中とアフターコロナで悩み度合いに大きな変化はなく、コロナがきっかけで高まった敏感肌への意識はいまだ衰えていないということもわかりました。むしろ、敏感肌コスメマーケットにとっては追い風でもあった”コロナ特需”が落ち着き、本来の意味での敏感肌に悩む、よりコアなユーザーが残ったとも考えられます。
―なるほど。コロナが落ち着いたことで悩む人も減ったかと思いましたが実際は違ったのですね。
さきほどマーケットの話も出ましたが、ブランド面でなにか変わったことはありましたか?
今奥:敏感肌用スキンケアブランドの使用実態では、2年前の調査結果と変わらず「キュレル」「無印良品 敏感肌シリーズ」が、他のブランドに大差をつけて使用率1位、2位となり、盤石の地位を築いています。変化があったブランドに着目すると、例えば前述した「カルテHD」はこの2年間でブランド認知度が24.5ポイント増加しました。2年前はまだ発売から日も浅く認知も低かったため当然といえば当然かもしれませんが、注目しているメーカー様も多いかと思われます。
しかし、全体を通してみると使用ブランドの傾向にあまり大きな変化はなく、過去からの変化に着目するよりは、今の敏感肌女性から特に安定した支持を得ている「キュレル」「無印良品」の強みが何なのか、自社ブランドは敏感肌コスメマーケットのどのポジションで戦えばいいのか、という点を探っていくことが重要な課題になるのかなと思います。敏感肌女性が化粧品にどんな価値を求めるかといったポイントも大きくは変わらないので、自社やベンチマークブランドの現状や課題を分析し、今後の戦略を立てていくことが大事ですね。
―ニーズが大きく変わらないからこそ、支持を得ているブランドはよく研究すべきとのことですね。
他に、今回のリニューアルに際して進化したポイントなどはありますか?
今奥:2年前の結果とデータを比較して見ることができる点ももちろんポイントですが、今回の調査では大きく2つ、おすすめしたいところがあります。
まず1つ目ですが、今回から新しくスキンケアのアイテム別のニーズについても細かく聴取しています。例えば、敏感肌女性が求めるクレンジングや化粧水など、アイテム別にデータを見られるため、より具体的な商品開発にお役立ていただけます。また、いつもご好評いただいているクラスター分析を今回も行っていますが、更にクラスターごとにスキンケアを選ぶときの基準がどのように違っているかについても分析しております。例えば、低刺激を最も重要なポイントとするクラスターもいれば、低刺激であることと同じくらい美容効果があることを重要視するクラスターもいるなど、同じ敏感肌女性でもタイプごとにどんな化粧品が求められているかがわかるようになっています。
2つ目は、対象者のサンプル数を前回の2倍に増やしたことで、ブランド分析の幅が広がったことです。前回ご好評いただいたブランドごとの認知→トライアル→リピートへの移行率データはもちろんのこと、特定のブランドにフォーカスしてユーザー分析や現状分析を行ったページもございます。レポートでは例として「カルテHD」にフォーカスしたページを掲載していますが、そのほかのブランドでも同様に作成可能ですので、自社・競合ブランドの深堀りを希望の場合はぜひご相談ください。
―ありがとうございます。商品開発にもブランド分析にも存分に活用できるレポートということですね!
では、最後に一言お願いします。
今奥:こちらのレポートですが、敏感肌コスメマーケットのシェア上位を占める多くのメーカー様・ブランド様にご活用いただいており、敏感肌女性の意識変化を捉えることはもちろん、自社・競合ブランドのブランドポジションの確認や課題の洗い出しに使えるという嬉しいお言葉をいただいております。
コロナが明けても敏感肌に悩む女性は多く、今後も一定のニーズが見込まれます。詳細なデータはぜひオンラインミーティングにてご確認いただければと思いますので、少しでもご興味をお持ちいただけましたらお気軽にご連絡くださいませ!
―本日は貴重なお話ありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2023年 敏感肌コスメの使用実態と今後の商品ニーズ(第2弾)」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。