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2024.04.12

リサーチャーに聞く!#77 『2024年 世界の抗体医薬品市場』調査のポイント

PRESS

MEDICAL PHARMACEUTICALS

第77回は、2024年3月28日発刊の『2024年 世界の抗体医薬品市場』です!
日本・米国・欧州を中心とした抗体医薬品市場について、海外企業・日本企業の14社を徹底調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの池邉拓哉に調査のポイントをインタビューしました!

 

池邉拓哉 プロフィール

リサ・リューション事業部 リサーチグループ Medical
池邉拓哉

—Profile—
2022年の入社から2年間生産財チームで、メディカル関連の調査を担当。
2023年に世界の皮膚外用薬市場と、製薬企業のデジタル戦略の調査を行った。

 


―なぜ今回、抗体医薬品市場の調査を行ったのですか?

池邉弊社では、抗体薬物複合体(ADC)および二重特異性抗体(バイスペシフィック抗体)を中心とする次世代抗体医薬品が、将来的に市場に大きな影響を与えるのではないかと考えております。
そこで、今回の調査では、次世代抗体医薬品のなかでも、市場への投入がある程度進んでおります、抗体薬物複合体(ADC)および二重特異性抗体(バイスペシフィック抗体)をポイントに挙げ、現状、市場全体でこれらがどのくらいのシェアを持ち、今後どのようにシェアは変化していくのか、また各社でどのような戦略を挙げているのか等を調査いたしました。

 

―そうなのですね。今回の調査で明らかになったことはありますか。

池邉:はい。今回の調査の結果として、2022年度の抗体医薬品市場全体のうち、抗体薬物複合体(ADC)のシェアが3.3%、二重特異性抗体(バイスペシフィック抗体)のシェアが2.4%となったことがわかりました。
まだわずかなシェアではありますが、年々増加傾向にあります。また、2030年度予測では、いずれも9.4%にシェアが拡大する見通しであり、今後はさらに市場が拡大していくとみられます。
2030年度予測のシェアが拡大している要因としては、抗体薬物複合体(ADC)では「Enhertu」「Kadcyla」「Adcetris」「Trodelvy」等、二重特異性抗体(バイスペシフィック抗体)では「Hemlibra」「Vabysmo」「Blincyto」といった既存製品が大きく売上を伸ばしていくことが挙げられます。
また、各社で開発や提携が活発に行われていることも、今後の成長要因として挙げられるのではないかと思います。
これに関連して、各社の戦略を提携・買収の面でみると、直近の4年で、調査対象企業の14社中11社が抗体薬物複合体(ADC)もしくは二重特異性抗体(バイスペシフィック抗体)に関する提携・買収を行っていることがわかり、他社との研究開発を行っている企業の多さが目立ちました。なかでも、癌領域を中心とした提携が活発に行われている状況です。

―なるほど。抗体薬物複合体(ADC)と二重特異性抗体(バイスペシフィック抗体)では、現在どのような商品が注目されているのですか?

池邉はい。まず現状上市しているものでは、抗体薬物複合体(ADC)では「Enhertu」、二重特異性抗体(バイスペシフィック抗体)では「Hemlibra」「Vabysmo」等に注目しています。これらの製品は今後さらに伸長していくとみています。
また、各社で新薬開発における提携が積極的に行われていることも、成長を後押しすると思います。
このほか、開発品でみますと、抗体薬物複合体(ADC)の新薬では「DS-1062」(datopotamab deruxtecan)や「U3-1402」(patritumab deruxtecan)、二重特異性抗体(バイスペシフィック抗体)では「ALXN1720」(gefurulimab)や「AMG757」(tarlatamab)等の大型化が見込まれる開発品に注目しており、いずれも後期開発段階に入っています。これら開発品が順調に上市をむかえると、次世代抗体の市場がさらに拡大すると考えられます。

 

―ありがとうございます。最後に、今回の調査のここに注目してほしい!というポイントを是非聞かせてください。

池邉当資料では抗体医薬品の売上面だけでなく、開発状況、提携・買収情報、そして、今後の各社の展開等を調査しておりますので、市場全体の情報を網羅的にご覧いただける内容となっております。
是非とも、当資料を手に取ってご覧いただければと存じます。

 

 

―本日は貴重なお話ありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2024年 世界の抗体医薬品市場」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

『2024年 世界の抗体医薬品市場』