第78回は、2024年4月30日発刊の『2024年 5G・6G用基板材料・部材の開発動向と戦略分析』です!
次世代高速通信用基板材料・部材メーカー国内16社と海外4社を対象に、各社の材料・部材事業について調査・分析した当レポートについて、弊社リサーチャーの中津啓揚に調査のポイントをインタビューしました!
中津啓揚 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Medical
中津啓揚
—Profile—
入社前まで、名古屋の自動車調査会社や東京のビジネス情報コンサルティング会社に勤務。
TPCに入社後は、生産財チームでケミカル分野およびメディカル分野の調査を担当している。
―なぜ、今回この調査を実施しようとしたのですか?
中津:5Gの製品開発が活発化していた前回の調査から3年が経ち、現在は、6Gに向けた材料・部材開発に取り組む企業が増え始め、その研究開発や生産計画について調査する必要があると感じました。
2030年頃に普及が始まる6Gに対応できる材料・部材の開発がこれから本格化すると見られますが、その開発は遅くとも2025年には開始する必要があり、それに向けて新規素材の開発を始めるメーカーや参入を検討するメーカーの参考になると考えました。
―今回の調査で、何か新たな発見はありましたか?
中津:2022年から2023年にかけて5G関連市場は減速した状況となっていましたが、2024年以降に製品化および量産化に向けて動き出しているメーカーが増えている感触です。
低誘電樹脂は利益率が高いと見ている企業もあり、後発でも十分な収益を挙げられるとの判断から新規参入を検討する企業も見られます。
また、事業ポートフォリオを見直し、不採算事業を清算し、今回の調査対象である高速通信用製品を含めエレクトロニクス分野の事業に資金を集中投下する方針の企業が多いと感じました。
―今回5G・6G機器で使われる基板材料・部材をテーマにした調査とのことですが、現在の5G・6G市場の課題は何だと考えていますか?
中津:先ほど話したように、5G関連市場は、2021年までメーカーの製品開発計画の発表が相次いでましたが、2022年以降、半導体市況の低迷、基地局の設置やミリ波デバイスの普及が予想より進まなかったこともあり、採算面からメーカーの製品上市や量産化が遅れている状況にありました。
しかし、2024年以降は、市況の回復もあり、高速通信インフラの設置や自動車ミリ波レーダーの採用も進む見通しで、参入メーカーは、国内外問わず事業機会を逃さないよう、機能を高めた開発製品の上市や供給先企業に近い生産拠点の設立などを適切なタイミングで実行していく必要があると考えています。
―今回の調査のここに注目してほしい!というポイントがございましたら、是非ともお聞かせください。
中津:前回版にはなかった世界市場規模とメーカーシェアを算出しており、当該製品の規模感をつかむことができると思います。また海外企業も基板メーカーを中心に取り上げて、研究開発や生産計画の動向をまとめていますので、材料・部材メーカーで海外販売を検討されているご担当者様に特にご活用いただけると思います。
また、5Gから一層の低誘電化が求められる6G向けの材料開発で、各メーカーがどの素材に着目し開発を進めようとしているのか、競合企業あるいは取引先企業、また、業界の動向を把握する意味でもお役立ていただけます。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2024年 5G・6G用基板材料・部材の開発動向と戦略分析」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。