第79回は、2024年4月26日発刊の『2024年 コスメ積極投資タイプの実態と今後のニーズ』です!
今後の化粧品市場の成長のカギを握るコスメ積極投資タイプについて美容意識・実態、スキンケアの重視ポイント、現在使用ブランド/お気に入りブランドとその理由、メイク実態、今後求めるサービスなどを調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの武本美沙に調査のポイントをインタビューしました!
武本美沙 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty
武本美沙
—Profile—
2023年に入社後、化粧品分野で市場・消費者調査を担当している。
趣味はカラオケと小動物の動画視聴。最近は韓国アイドルやVtuberの動画視聴にハマっている。
―なぜ今回、コスメ積極投資タイプに対して調査を行ったのですか?
武本:弊社では今まで、スキンケアとメイクアップを週に1回以上行っている女性、いわゆる一般女性を対象にした調査を多く行ってきましたが、そのなかでも、お客様から「化粧品にお金をかけている女性の実態を知りたい」といったお声を多数いただいていました。しかし、一般女性のスキンケア化粧品平均使用総額の2倍以上である2万円を高額投資の基準とすると、2万円以上使っている女性は全体の約1割程度しかおらず、データとしてお出しするにはN数が少ないため、実態を探れずにいました。
そこで今回、お客様のご要望にお応えするべく、弊社の新たな試みとして、『スキンケアとメイクアップを週1回以上行っており、現在使用している化粧品(スキンケア)の総額が2万円以上の20~70代の女性』=『コスメ積極投資タイプ』を対象に調査を実施する運びとなりました。
近年では、コロナ禍の外出自粛制限が緩和したことや、若年層のご褒美需要が高まっていることなどが要因となり、カウンセリングブランドの売上回復が進んでおり、高級ブランドはもちろん、ドラッグストアなどで展開するセルフブランドなどからも高価格帯アイテムの投入がみられます。
そのような動きがみられるなかで、実際にコスメ積極投資タイプは何を重視しているのか、購入の決め手など…様々な角度から消費者像を明らかにしています。
―コスメ積極投資タイプに対象にした調査は初めてなんですね。
実際、今回の調査で発見はありましたか?
武本:当レポートでは、因子分析の結果から、コスメ積極投資タイプを「パワー投資タイプ」「こだわり投資タイプ」「ステータス投資タイプ」「トレンド投資タイプ」「無自覚投資タイプ」「セーフティ投資タイプ」「アバウト投資タイプ」の7クラスターに分類していますが、クラスターごとの特徴をまとめた結果、全てのアイテムに高額投資している人だけでなく、アイテム1点に集中して投資している人、高額投資している自覚がない人など、様々なタイプがいるということがわかりました。
さらに特徴を深掘りすると、アイテムごとに、百貨店やドラッグストア、通販で買い分けていたり、自分から情報を集めて購入するクラスターもいれば、人におすすめされたものを購入するクラスターも存在します。また、店員からの説明を重視するクラスターもいれば、接客を嫌がるクラスターもいるなど、クラスターによって様々な違いがみられます。
ちなみに、これらのデータをご活用いただく例としては、自社ブランドに近いクラスターを見ることで、ターゲットとずれがないかを確認することも可能ですし、新しい顧客層の開拓にもお使いいただけます。
さらに、顧客が重視していることを知ることでクロスセルやアップセルといった顧客単価の上昇にもつなげることができるため、今後のブランドの方針を決めるひとつのファクトとして、有用なデータだと感じています。
―なるほど、同じコスメ積極投資タイプでも特徴が違うんですね。しかし、皆化粧品にお金をかけているので、どのクラスターもターゲットになる可能性がありそうです。
では次に、今回の調査でここに注目してほしい!というポイントがございましたら、是非ともお聞かせください。
武本:是非ご覧いただきたいのは、分析編の一般女性のデータとの比較ページです。集計編は当レポート対象者のデータなので、コスメ積極投資タイプならではの特徴が見えにくいですが、一般女性のデータと比較することで、違いがみえてきます。
例えば、コスメ積極投資タイプは一般女性よりも、スキンケア化粧品の「効果実感」や「使い心地」を重視している傾向にあることが、出現率の差から明らかになっています。また、安心・安全である化粧品の基準として、一般女性はTOP3に「無香料」「無着色」「敏感肌でも使える」がランクインしているのに対して、コスメ積極投資タイプはTOP3に「成分表が表示されている」「サンプルの試用」「アレルギーテストを行っている」がランクインしており、自発的に安全かどうか確かめる選択肢が目立ちました。
このほか、一般女性と比べて、美容液やクリームの使用率が高くオールインワンの使用率が低いほか、ブランドでは「コスメデコルテ」や「SK-Ⅱ」、「ポーラ」の現在使用率が高いことがわかっています。
このように比較をすることで、コスメ積極投資タイプの実態がはっきりわかるのが魅力的なポイントだと思います。
― 一般女性との比較があるとわかりやすいですね。
最後に今回の調査について、お客様からはどのような感想・評価をいただいていますか?
武本:現在使用しているブランドの中から、最もお気に入りのブランド・ひとつ前に使っていたお気に入りブランド・お気に入りブランドが使えなくなった時に代わりに使うブランドを聴取しているのですが、現ユーザーが選ぶお気に入りブランドが想定していたブランドと違い、ギャップを感じられるお客様も多いですね。例えば、「自社ブランドユーザーは効果実感を重視していると思っていたが、お気に入りブランドに敏感肌向けのブランドを選んでいたので驚いた」といったお声をいただいています。
また、お気に入りブランドとして選んでいるユーザーは、いわばブランドのロイヤルカスタマーですから、具体的にそのブランドのどういった点を気に入っているのかを知ることで、今後注力すべき点が確認できることもご好評いただいています。
―レポートから新たな気付きが得られるのは魅力的ですね。
では、最後になりますが、読者の皆様に一言ありましたらお願いします。
武本:当レポートでは、スキンケアのテクスチャーへの意識や、パッケージ・容器への意識といった質問も盛り込み、アンケート数全48問をまとめた、見ごたえのある資料になっています。また、調査対象者であるコスメ積極投資タイプは、全人口のなかで割合は少ないですが、今後ブランドの売上を支えるロイヤルカスタマーになりうる重要なターゲットであるため、是非ご覧いただきたいレポートです。
実際のデータをご確認いただきながら説明をさせていただくオンラインミーティングも承っておりますので、少しでもご興味いただけましたら、是非お声がけいただけますと大変嬉しいです!ご連絡お待ちしています!
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2024年 コスメ積極投資タイプの実態と今後のニーズ」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。