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2024.07.03

リサーチャーに聞く!#83 『2024年 女性の毛穴ケアの実態と今後のニーズ』調査のポイント

PRESS

BEAUTY

第83回は、2024年6月21日発刊の『2024年 女性の毛穴ケアの実態と今後のニーズ』です!
化粧品で毛穴ケアしている女性の毛穴悩みに対する意識、毛穴ケアのアプローチ方法、スキンケア・メイクアップの取り組み、毛穴ケア化粧品に対する重視ポイントや不満、今後使用したい商品などを調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの任倩怡に調査のポイントをインタビューしました!

 

任倩怡 プロフィール

リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty
任倩怡

—Profile—
中国・広東省出身。
2019年に来日し、大学院で日本のテレビドラマを研究していた。
2023年に入社後、化粧品分野で消費者調査と中国の市場調査を担当している。
現在は毎月無料配信中のニュースレターで、「中国の化粧品ニュース」コーナーを執筆している。
趣味は映画とドラマを観ること。レッサーパンダ好き。

 


―今回の調査は新規テーマですが、毛穴ケアに着目した消費者調査を行ったのはなぜでしょうか?

今年3月に実査を行った、20~70代の女性を対象にした定点調査「2024年 女性の美容に関する意識・実態調査」によると、日本女性の“現在気になっている肌の悩み”において、毛穴に関する肌悩みは全年代で5位、20代で1位となっていて、毛穴ケアの需要が高いことがわかります。
しかし、ここ数年は“毛穴ケア”を謳っている新しいブランドや商品が相次いで登場しているものの、認知と市場シェアの拡大に成功できているものはごく一握りで、毛穴ケアユーザーの定着に課題を抱えているメーカーは少なくありません。
加えて、中・高年層をメインターゲットにしたブランドが若年層ユーザーを取り込むために、毛穴ケアを訴求した商品を展開するような施策も増えています。他社商品と差別化するためにも、まずは「毛穴悩みを対策しようとしている人たちは、一体なにを求めているか」を明らかにする必要がありました。

また、TPCの化粧品関連の調査において、消費者の決断力や購買力を考慮したうえ、いままでは20代以降の女性を調査対象者にしていましたが、お客様から“10代の美容実態も知りたい”といった声も受けています。
“毛穴ケア”では、若年層のほうがターゲットの規模が大きいと考えられますし、若・中・高年層それぞれの毛穴悩みとケア実態を比較したいと思いましたので、今回は初めて10代を対象に調査を実施することになりました。

 

―10代の消費者の美容実態を見られるのもこの調査ならではの魅力ですね。
調査前にいくつかの仮説を持っていたと思いますが、実際の調査結果はどうでした?

まずは先ほど申し上げたように、毛穴ケアユーザーは若年層ほど多いと予測していました。
実際スクリーニング調査をやってみたら、確かに10代で毛穴悩みを持っている化粧品消費者の出現率が最も高いですが、30代の出現率も高く僅差で2位となっています。
また、本調査の対象者の条件「スキンケアおよびメイクアップを週1回以上行っており、化粧品(スキンケア・メイクアップ)で毛穴に関する肌悩みの対策をしている」に該当している人は、30代女性の出現率が最も高くて、推定人口規模も最も大きいです。

ほかには、例えば、毛穴悩みは顔のテカリと繋がることが多いので、皮脂分泌を抑えてさっぱりとしたスキンケアが毛穴ケアユーザーの重視ポイントではないかと考えていました。
しかし、調査で「毛穴ケアのアプローチ方法をどの程度重視しているか」を尋ねてみたら、「皮脂の分泌を抑える」ことに対する重視度合いは、年代問わず最も低いです。逆に、「肌を保湿する」ことはいずれの年代でも最も重視されています。
(この設問では、「毛穴の汚れを洗浄する」、「角栓を取り除く」、「肌を保湿する」、「古い角質を除去する」、「毛穴を引き締める化粧品(収れん成分配合)を使う」、「皮脂の分泌を抑える」、「メイクアップで毛穴を隠す」について、それぞれの重視度合いを尋ねていました。)

―仮説と調査結果のギャップも面白いですね!
ほかになにか新しい発見がありましたか?

今回の調査では、スキンケア化粧品の使用以外、メイクアップ化粧品による毛穴カバーにも注目しています。
「メイクアップでカバーすることより、スキンケアで毛穴の問題を解決したい」という考え方について、「とてもそう思う」、「ややそう思う」と回答している人が9割近くとなっていますが、実際の化粧品の使用状況について聞いてみると、毛穴ケアユーザーではメイクアップ化粧品で毛穴悩みの対策をしている人も約7割を占めています。スキンケア・メイクアップの使用実態を併せてみても、毛穴ケアで両者を併用している人が66.4%もいます。
調査データをクロス集計することで、併用されている化粧品アイテムを分析することができますので、商品展開の企画の参考としてご活用いただければと思います。

また、毛穴ケアのために使用しているスキンケアアイテムを聞いたうえで、それぞれのアイテムの毛穴ケア効果を実感できているかを調査しています。
このなかで、「オイル」は使用率が比較的低いですが、効果実感の設問では、「実感できていない」使用者が1人もおらず、効果実感度合いが95.1%にも上っています。驚異の満足度!ともいえるでしょうね。
ちなみに、毛穴悩みの種類別にみると、「つまり」や「黒ずみ」と比べて、「開き、広がり」や「たるみ」の対策でオイルを使用している人が多いです。ここ数年、「ベビーオイル洗顔」といった美容法がSNSで話題になっていますが、オイルの使用は毛穴ケアユーザーでさらに広がるか、気になるところです。

 

―オイルの効果実感には驚きましたね!
今回の調査で、注目してほしいアピールポイントなどございましたら、是非ともお聞かせください。

毛穴ケア化粧品のユーザー定着の課題を解決したいと思っていますので、化粧品選びで重視していることはもちろんですが、使用しているスキンケア・メイクアップのアイテムに感じた不満にも着目しています。
また、毛穴の角栓・古い角質の除去に使用する化粧品アイテム(シートパック、洗い流しパック、ふきとり化粧水・美容液、ピーリング美容液・ジェル、フェイススクラブなど)についても、「現在使用しているもの」、「使用していたがやめたもの」、「今後使用したいもの」を尋ねたうえ、使用離脱者にやめた理由を探っています。ほかの調査であまり設けていない、“毛穴ケア”ならではの設問です。

このほか、「毛穴ケア化粧品を知るきっかけとなる情報源」や、「化粧品の新規購入の決め手」に関する設問もあります。年代によって調査結果に差が出ていますので、自社ブランドのターゲット層と照らし合わせてプロモーション施策を見直すこともできます。

 

では、最後に一言お願いします。

最後までご覧いただき、ありがとうございます!
今回の消費者調査レポートは、現在毛穴ケアを実施しているユーザーに絞り、毛穴悩みに対する意識や化粧品の使用実態を通して「毛穴ケア化粧品に求めているもの」を深掘りしているほか、いままで調査してこなかった10代の美容意識・実態を把握できる資料になっています。
毛穴ケア関連の商品・サービスに課題を持っていらっしゃるブランド様にも、これからZ世代に向けて新たに展開を企画なさっている企業様にも、ぜひご参考にしていただけますと嬉しいです。

また、オンラインミーティング形式の無料試読では、実際のレポートのページを見て、詳細なデータをご確認いただけます。ご興味がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください!

―本日は貴重なお話しありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2024年 女性の毛穴ケアの実態と今後のニーズ」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

『2024年 女性の毛穴ケアの実態と今後のニーズ』