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2024.07.29

リサーチャーに聞く!#90 『2024年 関節リウマチのドクター調査』調査のポイント

PRESS

MEDICAL PHARMACEUTICALS

第90回は、2024年7月18日発刊の『2024年 関節リウマチのドクター調査』です!
成人の関節リウマチ患者を直近1年間に30人以上担当した日本リウマチ学会の専門医のHPドクター30名にインタビュー調査を実施した当レポートについて、弊社リサーチャーの水上徹に調査のポイントをインタビューしました!

 

水上徹 プロフィール

リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Medical
シニアアナリスト 水上徹

—Profile—

入社してからほとんどの期間で、Medical関連の調査を担当。
現在はMedical関連の患者調査、ドクター調査および独自調査を行っている。

 


―なぜ今回、関節リウマチを対象としたドクター調査を行ったのですか?

水上関節リウマチでは現在MTXを中心に、生物学的製剤・JAK阻害剤といった効果の高い薬が使用されており、多くの患者さんを寛解もしくは低疾患活動性に導くことが可能になっています。
弊社が別で実施した関節リウマチ患者さんを対象とした調査においても、他の疾患と比べて、治療満足度はかなり高い結果がでております。
こうしたなか、D2TRA(difficult-to-treat rheumatoid arthritis)とよばれる治療難治性の高い患者さんもおられます。そこで今回の調査の1つのポイントとして、このD2TRAをどういう定義でドクターが考えているのか、またその患者さんはどれくらいの割合で、どのような治療を行っているかなど、D2TRAの治療実態を把握したいと考え、調査を実施しました。

 

―では、D2TRA患者さんの治療について、どのようなことがわかりましたか。

水上:はい、まずD2TRAの定義ですが、ほとんどのドクターでEULAR(ヨーロッパリウマチ学会)の定義が含まれており、なかでも生物学的製剤やJAK阻害剤を複数使用しても、効果が不十分で難治な症例を挙げるドクターが半数近くでした。
また、その定義にあてはまる患者さんの割合は1割ほどで、おおよそにはなりますが、患者さん全体のうち、中疾患活動性以上の方が2割超でしたので、このうちの半数弱ぐらいがD2TRAとなる想定です。
さらに治療については、継続的にJAK阻害剤や生物学的製剤による治療を行い、これらのなかで積極的に薬をスイッチして患者さんに合った薬を探すドクターが多くみられることがわかりました。

―このほか、今回の調査で明らかになったことはありますか。

水上そうですね、前回の調査(2020年実施)から、生物学的製剤やJAK阻害剤の使用状況がどのように変わっているかをもう1つのポイントとして調査しました。
前回調査では生物学的製剤が3割ほど、JAK阻害剤が5%ほどの患者さんに処方されていましたが、今回調査では生物学的製剤は前回と同程度、JAK阻害剤は1割ほどと、前回からJAK阻害剤の製品も増え、少しずつシェアを伸ばしていることが明らかになっています。

 

―JAK阻害剤の治療評価はいかがでしたか。

水上JAK阻害剤は効果に対する評価、経口剤であることから利便性の評価はとても高い結果でした。
ただ一方で、安全性・費用面(費用対効果)の評価は他の薬剤と比較して低い傾向にあり、これらを理由に処方できていないといった状況もみられ、生物学的製剤で効果がみられない場合での使用がかなり多くなっています。
また、D2TRAの患者さんへの切り札的な使い方をしているドクターも少なくないようです。

本調査テーマ・結果に関しまして、ご興味・ご関心をお持ちいただけましたら、実際のレポートをご覧いただきながら、ご案内させていただくことが可能です。また、8月にはオンラインでの紹介の場ももうけております。
ご希望がございました際には、弊社までお気軽にお問い合わせくださいませ。

―本日は貴重なお話しありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2024年 関節リウマチのドクター調査」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

 

『2024年 関節リウマチのドクター調査』