第94回は、2024年9月17日発刊の『2024年 健康と栄養に関する意識・実態調査（第6弾）』です！
20～70代男女の健康に対する考え方、健康のための取り組み、栄養の摂取状況、健康食品の利用実態などを調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの藤原桃子に調査のポイントをインタビューしました！
藤原桃子 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Health & Food
主任
藤原桃子
—Profile—
入社以降、ヘルス＆フード分野のマーケット調査を中心に担当。
近年は、ヘルス分野の消費者調査や独自調査も複数実施している。
―今回、健康と栄養に関する調査を実施したとのことですが、なぜこのタイミングで行ったのでしょうか？
藤原：こちらの調査は2019年から毎年行っている定点調査で、今回は6回目の調査となります。10年、20年とデータを積み重ねていくことで、消費者の健康や栄養に対する意識・実態がどのように変化したのか探っていきたいと考えていますので、実査は毎年7月下旬に合わせて行っております。
―なるほど。今回で6回目の調査ということですが、以前と比べて何か変化したところはありますか？
藤原：そうですね、まず健康に関する情報源ですが、「健康情報番組」を参考にする人が約4割と依然として多いものの、出現率は年々低下しており、2019年からの6年間で20pt減少しました。一方、「動画サイト」「SNS」は2019年比2ケタ増と参考にする人が増えています。性年齢層別にみると、「動画サイト」は男性高年層が同21pt増、男性中年層が同20pt増、「SNS」は男性若年層が同16pt増、女性若年層が同15pt増と特に増加しています。
また、健康食品の利用状況については、「プロテイン」の摂取率が5年連続で上昇しています。「プロテイン」を摂取している人は全年代で増加傾向にあり、メインユーザーの男性や若年層だけでなく、女性や高年層でもユーザーが拡大しています。
―そのような変化があったのですね。「プロテイン」のユーザーが拡大しているということですが、健康食品にはどのような健康効果を期待しているのでしょうか？
藤原：健康食品に期待する健康効果は、「特定の栄養成分の補給」が6年連続でトップとなっています。出現率を2023年と比較すると、「特定の栄養成分の補給」「免疫力向上」「疲労回復」「筋肉強化/筋力アップ」などが増加しています。「免疫力向上」はコロナを機に急拡大しましたが、コロナ収束後も依然として高いニーズを保っています。また、性年齢層別にみると、男性若年層は「筋肉強化/筋力アップ」、女性若年層は「貧血予防・改善」、女性中年層は「美肌・肌ケア」 の出現率が全体を10ポイント以上上回っており、ニーズの高さがうかがえます。
―「免疫力向上」はコロナ後も引き続きニーズが高いのですね。
先ほど、紅麹サプリメント問題に関する設問を追加したと聞きましたが、どのようなことが分かったのでしょうか？
藤原：全体の約4割は、紅麹サプリメント問題の影響で健康食品に対する意識・行動が変化したことが分かりました。性年齢層別にみると、意識・行動が変化した人は女性高年層、男性若年層、女性中年層の順に多くなっています。
具体的な意識・行動の変化としては、「パッケージの表示をよく確認するようになった」が約2割で最も多く、「健康食品の摂取を全般的に控えるようになった」「メーカーの品質や安全性への取り組みを調べるようになった」が約1割で続いています。
また、「健康食品を選ぶ際に重視すること」という設問で「安全性」を選択した人に、「安全」とは具体的にどのようなものだと思うかを尋ねたところ、「余計な添加物を使用していない」「国内の工場で生産している」「メーカーが安全性に関する情報を積極的に発信している」などが上位に挙がりました。紅麹サプリメント問題の影響があった層となかった層の出現率を比較すると、影響があった層は全般的に出現率が高く、健康食品の安全性に対してより厳しい目を向けていることが分かりました。
―なるほど。やはり消費者の健康食品に対する意識・行動に影響を与えたのですね。
最後に、今回の調査のここに注目してほしい！というポイントがございましたらお聞かせください。
藤原：当調査では性別、性年齢層別に加えて、弊社独自のクラスターによる分析も行っています。クラスター分析を行うことで、性別や年齢層別、居住地といった社会的な属性だけではなく、ライフスタイルや価値観といった心理的な属性による特徴や傾向を把握することができます。今回は、「健康オタク」「スポーツ重視」「安心安全」「健康リテラシー」「価格重視」「なんとなく」の6タイプに分類しています。健康と栄養に関する基礎データとして、ぜひ一度ご覧になっていただきたいレポートです。オンラインミーティングによるご試読も実施しておりますので、少しでもご興味・ご関連のある方は、お気軽にご連絡をいただけますと幸いです。
―本日は貴重なお話しありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2024年 健康と栄養に関する意識・実態調査（第6弾）」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。
