第99回は、2024年9月24日発刊の『2024年 世界のバイオプラスチック市場』です!
世界のバイオプラスチック市場について、個別企業編と集計分析編に分けて調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの伊藤広大に調査のポイントをインタビューしました!
伊藤広大 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Chemical
伊藤広大
—Profile—
2016年の入社から2年間生産財チームで、ケミカル関連の調査を担当。
2018年からは、心機一転消費財チームの一員として、飲料や乳酸菌関連の調査を行った。
その後、2021年に生産財チームにカムバックし、現在はプラスチックやカーボンニュートラル関連の調査を進めている。
―なぜ今回、バイオプラスチック市場の調査を行ったのですか?
伊藤:昨今、地球温暖化を進行させることが問題視されている石油由来プラスチックについて、使用を制限する動きが顕著となっています。こうした中、同プラスチックの代替品として、二酸化炭素排出量を純増させないバイオプラスチックの需要が拡大しております。そこで、今回バイオプラスチックの世界市場を調査することで、現在どのようなバイオプラスチックが市場拡大を牽引しているのか、また、今後どのようなバイオプラスチックが必要とされるのかなどを明らかにし、マーケティングや研究開発にお役立ていただける情報を提供したいと考えました。
―そうなのですね。今回の調査にあたって、市場動向はこうなっているのではないか、という仮説はありましたか?
伊藤:マスバランス方式を活用したバイオマスプラスチックが市場拡大を牽引しているのではないか、という仮説の下調査を行いました。マスバランス方式とは、バイオマス資源と石油由来資源を混合してプラスチックを製造する際、使用量に応じてバイオマス原料由来を割り当てる手法を指します。このような仮説を立てた理由として、同方式を採用したバイオマスプラスチックは、同プラスチックが普及するための障壁である生産コストを低減できると考えたからです。
―なるほど。実際、今回の調査結果は仮説通りになったのでしょうか?
伊藤:はい。確かにマスバランス方式を使用したバイオマスプラスチックは市場拡大の要因となっていました。特に、レジ袋やカトラリー、包装材に使用される汎用プラスチックで、この方式を活用したバイオマスプラスチックの需要が拡大していました。この背景には、これらの用途を中心に、使用を制限する動きが世界的に進行していることが挙げられます。
また、廃棄物系バイオマスを使用したバイオマスプラスチックなど、さらなるコスト優位性を追求した製品の開発なども見られました。今後は、環境負荷低減とコスト優位性を両立したバイオマスプラスチックが市場を牽引すると考えられます。
―コスト優位性の高いバイオマスプラスチックが市場拡大の要因となっているのですね。この調査について、お客様からはどのような評価をいただいていますか?
伊藤:経営企画関連のお客様からは、バイオプラスチック事業の戦略立案や見直しに役立ったという評価をいただきました。特に、今後の市場性に関する項目では、市場が拡大する要因や、主要各社の方向性についてまとめられている点で参考になったというお声をいただきました。
また、研究開発関連のお客様からは、製品や生産技術についてどのような開発が盛んになっているのか把握できたというご意見をいただきました。
―経営企画や研究開発関連の業務に役立つのですね。最後に、今回の調査のここに注目してほしい!というポイントを是非聞かせてください。
伊藤:今回の調査では、国内企業8社、海外企業10社を対象に、マスバランス方式の取り組み状況や製品展開状況、売上高、提携状況、研究開発動向、今後の展開を調査し、包括的に市場動向を把握できるものとなっております。特に、市場動向では、樹脂別、用途別、地域別、企業別に販売数量を集計しているため、マーケットに対する理解を一層深めることができると思います。少しでもご興味がございましたら、ぜひご試読いただければ幸いです。
―本日は貴重なお話しありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2024年 世界のバイオプラスチック市場」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。