第101回は、2024年9月30日発刊の『2024年 敏感肌コスメの市場分析調査』です!
化粧品市場のなかでもとくに注目を集める敏感肌コスメ市場について徹底調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの今奥絵梨花、北口貴一、松川実生に調査のポイントをインタビューしました!
今奥絵梨花 プロフィール
リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Beauty
主任
今奥絵梨花
—Profile—
2017年に入社後、健康食品などヘルスケア領域のマーケット/コンシューマー調査を担当。
現在は化粧品領域において、主にスキンケア関連のコンシューマー調査や企業のマーケティング相談への支援、コンサルティングなどを担当している。
趣味は舞台・ミュージカル鑑賞で、休日はたまに東京にも遊びに行く。
北口貴一 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty
主任
北口貴一
—Profile—
2017年の入社以降、医療用医薬品、Healthチームを経て2019年より化粧品チームに所属。現在では海外のマーケット調査や化粧品原料・OEMのコンサル業務なども担当している。
趣味はブーランジェリー・パティスリー巡り、マチナカ散歩、野球観戦(日本ハムファイターズ推し)。
MBTI診断(16パーソナリティ)は”主人公”タイプ。
松川実生 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty
松川実生
—Profile—
2021年入社後、化粧品分野で主にマーケット調査を担当している。
これまで通販化粧品、メンズコスメ、敏感肌コスメに関するマーケット調査を行った。
日本化粧品検定2級取得。
現在は日本化粧品検定1級、コスメコンシェルジュ資格取得を目指し勉強している。
―今回、2年ぶりに敏感肌コスメに関する市場レポートを発刊しましたが、
なぜこのタイミングで調査の実施を決めたのですか?
北口:前回版を作成したのが2022年ということで、まさにコロナ禍の真っ只中でした。
当時はマスク着用の常態化に起因する新たな肌悩みが出現し、そのニーズに対応した敏感肌コスメが売上を伸ばすなど、市場全体がコロナの影響を強く受けており、当然各社の商品戦略や販売戦略も、当時の状況を踏まえた施策となっておりました。
その後、ようやく昨年5月にコロナ感染症が5類に移行し、敏感肌コスメ市場もアフターコロナに向けた次のステップに歩みを進めておよそ1年が経過したことで、参入各社による事業戦略や敏感肌ユーザーのニーズもある程度固まってきたことから、このタイミングでリニューアルするに至りました。
―コロナ禍が収束し、敏感肌コスメ市場の状況が目に見えて変化しているタイミングだったんですね。
アフターコロナで敏感肌コスメ市場が変化したことで、どのような市場課題が生まれたのでしょうか?
北口:まずアフターコロナになってからの変化として、わかりやすいところで言えばマスク着用機会の減少や外出機会の増加により、メイクアップをする機会が格段に増えました。また、マスク着用に伴う肌悩みを実感しづらくなり、シミやしわなどの普遍的な悩みが再び顕在化したことで、保湿ケアだけでなく、美白やエイジングケアができる高機能な敏感肌コスメへのニーズが拡大しました。
そういった背景から敏感肌コスメ市場はアフターコロナでも成長が続いており、近年は参入ブランドの増加やユーザーのすそ野の広がりで競争環境がより一層激しくなっています。さらに、この数年で主要ブランドにおけるブランドリニューアル・コンセプトの見直しも相次いでおり、敏感肌の人が求める化粧品とは何か?ブランドが提供できる価値は何か?を改めて問い直す動きがみられ、敏感肌ケアのアプローチも多様化していることから、市場の現状を大局的に把握することが難しくなってきているのではないかと思います。
―なるほど。普遍的なニーズが復活したからこそ、敏感肌に対するアプローチも色々な方向性に分かれているんですね。そちらに関して、今回の資料では具体的にまとめられているのでしょうか?
今奥:はい、おまとめしております。
そもそも敏感肌コスメブランドは、アトピーなどの皮膚疾患に近い症状のケアから軽度の敏感肌ケアまでアプローチ領域が多種多様となっているほか、ドラッグストアや皮膚科・クリニックなど販売チャネルも多岐にわたるため、市場のポジショニングが幅広くなっております。
また、敏感肌に対する訴求としては主に、①敏感肌をいたわる、治療的視点に重きを置いたケア(=消極的なケア)と②敏感肌でももっと美しくなれるよう、美容的視点に重きを置いたケア(=積極的なケア)の2つの方向性があります。
そういった状況を踏まえ、主要ブランドのポジショニングを改めて整理しなおしたところ、敏感肌コスメブランドの特徴として、大きく❶無添加系、❷プレミアム系、❸ダーマコスメ系の3つに分類されることがわかりました。
具体的にご説明すると、❶無添加系は肌に刺激を与える可能性のある成分をなるべく排除し安心・安全を強調するブランドとなります。また❷プレミアム系は”敏感肌でもより美しくなる”ことをブランド価値とし、美白やエイジングケアなど高機能なケアを提案しています。最後に❸ダーマコスメ系は、皮膚科学の視点に基づき、特定の肌悩みの解決を目的に配合成分や処方にこだわったアプローチです。
資料では、この3つの視点で主要ブランドを分類し、ポジショニングマップを作成しております。現在の市場環境や自社ブランドポジションの把握にご活用いただけるのではないかと思います。
―「敏感肌コスメ」と一口に言ってもどのポイントに重きを置いているかはブランドによって異なるんですね。その中で、今後トレンドになっていきそうなコンセプトなどはありますか?
今奥:従来は❶無添加系の訴求が敏感肌コスメ市場においては主流でしたが、近年は❷プレミアム系や❸ダーマコスメ系のブランドやラインが少しずつ増えてきているように感じます。
なかでも❷プレミアム系では、最近は美容医療の視点を取り入れた商品が発売されており、美容施術後の敏感な肌状態でも高機能なケアに取り組むことができるアイテムや、より高い美容効果を目指し、自宅でセルフケアができるアイテムなどが投入されています。
敏感肌でも高機能なケアができる、というアプローチも今やそこまで珍しいものではなくなっているので、コンセプトの差別化のひとつの方向性として提案するブランドが今後も増えていくのではないかと予想しております。
―色々とお話いただきありがとうございます。最後に、今回2年ぶりのリニューアルとなりましたが、資料のどのような点に注目してもらいたいなど、アピールポイントがありましたらぜひお教えください!
松川:今回のレポートから、これまで企業単位で情報をおまとめしていたページをブランド単位での分析に変更しているので、各ブランドの商品戦略や販売戦略をより詳細に把握いただけるようになりました。販売戦略ひとつとっても、SNSやブランドサイトの活用など、細かく分析いただけます!
また、先ほどの話にも出ましたが敏感肌ブランドをマッピングしたポジショニングマップも必見です。サブタイトルにもありますように、3つの潮流で複雑化する敏感肌ブランドの立ち位置が一目で把握でき、競合ブランド分析、新規参入の際にもお役立ていただけるのではないかと思います。
前回版からバージョンアップした本レポート、ぜひ一度ご覧いただけましたら幸いです。弊社レポートは無料の試読サービスもございますので、少しでもご興味、ご関連のある方は、お気軽にご連絡くださいませ。
―本日は貴重なお話しありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2024年 敏感肌コスメの市場分析調査」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。