第100回は、2024年9月30日発刊の『2024年 通販化粧品の市場分析調査』です!
さらなる成長と拡大を遂げる通販化粧品市場について、大手通販企業から中堅企業、新規参入企業までを徹底調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの中川美貴子、福原裕子、池本マーシャに調査のポイントをインタビューしました!
中川美貴子 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty
中川美貴子
—Profile—
2023年に入社後、化粧品分野で主に化粧品のマーケット調査を担当。
趣味は音楽鑑賞。ロックとアイドルを中心に、幅広いジャンルのライブに足を運ぶ。
入社後、プチプラコスメ収集にもハマっている。
福原裕子 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty
主任
福原裕子
—Profile—
2017年の入社当時から化粧品分野でマーケット調査を担当。
これまで、通販市場やスキンケアに関する市場調査のほか、ヘアケアに関する消費者調査やコンサルティング業務にも携わっている。
2022年にコスメコンシェルジュの資格を取得している。
池本マーシャ プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Beauty
池本マーシャ
—Profile—
2017年の入社当時からスキンケアやヘアケアなどの市場調査を行っており、今年は女性の頭皮・髪に関する消費者調査レポートも作成している。
2021年には化粧品検定1級を取得し、コスメコンシェルジュの資格も持っている。
趣味は音楽鑑賞、美味しいものを食べること、カフェでゆっくりすること。
―今回は「通販化粧品」をテーマにした調査とのことですが、現在の市場の課題は何だと考えていますか?
福原:近年、コロナ禍をきっかけに通販利用者が増加し、以前よりも通販で購入することの障壁が低くなったことで、”通販ユーザー”と”店販ユーザー”といった明確な分け方ではなく、通販と店販の両方で購入する人や、店販メーカーの商品を通販で購入する人も多くなるなど、今までの通販とは位置付けが変わってきているように感じています。
特に、Amazonや楽天市場などといったECモールの利用が増えており、従来は自社サイトを中心に展開していた通販メーカーにおいても、ECモールへ公式出店を行う企業が多くなっています。
これは、販路が広がりプラス要因となる反面、これまで自社の公式サイトを中心に展開してきた通販メーカーにおいては、ユーザーを獲得して維持していくことが難しくなっているのではないかと思います。
―そういった課題があるのですね。
実際に調査をして、何か課題解決につながるような発見はありましたか?
福原:まず、実際にECモールに出店する通販メーカーは多くなっていますが、そうしたなかでユーザーの購買行動にも変化を感じました。従来のように広告から公式サイトに入るのではなく、まず最初にECモールに入り、その中で口コミ評価や売れ筋ランキングを参考にし、ECモール内で商品を探す人が多くなっているように思います。
ECモールが広告の役割も担うようになっており、ランディングページを出稿する企業も減少傾向にあります。
こうした動きを踏まえ、参入各社はモール内の数ある商品の中から消費者の目にとまるような斬新で尖った商品の開発を強化していることが特徴的でした。
また、ただ出店するだけでなく、ECモール内での戦略も重要になっていることがわかりました。例えば、ファンケルではECモールの大型セールに頼らず値引き率もコントロールするなど戦略的に展開しています。逆に、大手通販メーカーのような知名度がなくても、ECモール内の戦略に成功してヒットするブランドもみられています。
ただ、ECモール内でファン化につなげるには難しい部分もあるため、モール戦略を強化して新規顧客の獲得を進めるのか、もしくは公式サイトを中心に様々な媒体で連携して顧客育成に注力するのか、自社の強みを活かして戦略を見極めていくことが、通販メーカーが成長していく上で重要なポイントになると感じました。
―なるほど。ECモールの利用が増えユーザーの購買行動が変化するなかで、自社の強みを活かせる戦略を見極めることが重要なのですね。ほかに、資料のここを見てほしい!というポイントはありますか?
中川:今回の資料では、個別企業編で前回版より11社も多い30社を徹底分析しています!先ほど自社ユーザーの獲得と維持が課題というお話が出ましたが、多くの企業の事例をご覧いただけるので、参考にしていただけると自負しております。内容としては、大手通販企業の取り組みはもちろんのこと、中堅企業や新規参入企業の取り組みもピックアップしているほか、近年通販で売上を伸ばしている企業についてもカバーしています。自社ブランドの商品開発やプロモーションなどを検討されている方にぜひご覧いただきたいです。
また、市場編では通販化粧品市場シェアTOP20社のほか、注目が高まっている約50社のデータを掲載しています。消費者の意識と実態なども併せてご覧いただけますので、自社ブランドの差別化や競合他社研究など幅広くご活用いただけるかと思います。
―今回は多くの通販メーカーを取り上げているんですね!
最近の通販化粧品では、具体的にどのようなトレンドがみられますか?
池本:新製品の動向としては、①乾燥肌・敏感肌ケア、②成分訴求、③3ステップ提案が増えています。
①乾燥肌・敏感肌ケアについては、エトヴォスは全世代の乾燥肌・敏感肌に向けた、高保湿・ハリ・弾力ケアの「ヴァイタルスペリア」ラインを発売しており、テクスチャーや香りなどにこだわった同社最高峰のスキンケアとなっています。また、オルビスは“乾燥”と“乾燥の悪化”による敏感ループに着目した「アクアニスト」シリーズを発売しており、うるおいを逃し刺激を受けやすい角層に対し、うるおいを肌に留まらせる成分を配合しています。
②成分訴求については、ニッピコラーゲン化粧品は『コラーゲン』に特化した「ニッピコラーゲンコレセンス」シリーズを発売しており、独自開発した5種のコラーゲンを配合しています。また、I-neは「ドクターシュワン」を発売しており、高濃度炭酸と『ビタミンC』がツヤとハリのある美しい素肌へ導くとしています。このほか、プレミアアンチエイジングは「シーマニア」を発売しており、『ビタミンC』を楽しむ美容情報リテラシーの高い人に向けて商品を展開しています。
③3ステップ提案については、新日本製薬は「パーフェクトワン」においてファンデーションから入った顧客にオールインワンジェルとクレンジングや洗顔、季節商品を推奨し、『落とす(クレンジング)、満たす(ジェル)、魅せる(ファンデーション)』の3ステップ提案を強化しています。また、メディプラスは「メディプラスUVミルキーゲル」「同クレンジングミルク」「同ウォッシュムース」の3品目を発売し、「メディプラスゲル」による『乾燥予防ケア』を中心に、『洗うケア』『紫外線予防ケア』を加えたステップケア”ゲル美容”を提案することで、ライン使いを促しています。
このほか、男性向けブランドの展開で、男性を取り込む企業が増えています。例えば、オルビスは好調の「オルビス ミスター」を刷新し、従来の20~30代に加えて、40代までターゲット層を広げ、顧客規模の拡大を目指しています。さらに、I-neは“ミトコンドリア”発想のメンズスキンケアブランド「マーフィー」を投入し、1本9役のオールインワンジェルなど、手軽な本格ケアを訴求しています。
―男性ターゲット層を拡大する動きもみられるのですね。
では、最後になりますが、読者の皆様に一言ありましたらお願いします。
中川:コロナ禍を経てユーザーの購買行動に変化がみられるなか、通販事業に悩まれている方も多いのではないでしょうか。各社の商品展開、使用媒体、顧客サービス、SNSの活用状況など深掘した内容も盛り込んでいますので、通販化粧品メーカー様だけでなく、今後通販化粧品事業を始められる企業様も1冊持っておいて損はない資料になっているかと思います!土日祝を除く3日間無料のご試読が可能ですので、ぜひ一度ご覧いただければと思います!
―本日は貴重なお話しありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2024年 通販化粧品の市場分析調査」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。