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第107回は、2025年1月31日発刊の『2025年 2型糖尿病の患者調査』です!
2型糖尿病と診断され、その治療のために現在医療機関に通院している成人693人を対象に、アンケート調査を実施した当レポートについて、弊社リサーチャーの森惠佑に調査のポイントをインタビューしました!
森惠佑 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Chemical
主任 森惠佑
—Profile—
入社当時は、医療用医薬品分野でマーケット調査を担当。
次に、ケミカル分野でのマーケット調査。その後は、再び医療用医薬品分野での患者調査に専従。
ケミカル分野と医療用医薬品分野を行きつ戻りつし、現在は双方の分野で調査業務を行う。
―2型糖尿病の患者調査は、概ね2年~3年半おきにリニューアルしている医薬品関連の定番レポートの1つですが、これまでのレポートには無い独自の特徴は今回あるのでしょうか。
森:医薬品関連の調査レポートに位置付けられていたこともあり、今までは2型糖尿病の治療で医療機関を受診している人のうち、『薬物治療』を行っている患者さんのみを調査対象としていました。
しかしながら、2型糖尿病の治療は薬物によるものに限りません。むしろ、生活習慣の改善による血糖コントロールが可能なことから、『食事療法』と『運動療法』が治療の基本とされています。
そこで、これら2つの治療法にも焦点を当てるべく、今回は2型糖尿病の治療で医療機関に受診している人全体を調査対象に設定。『食事療法』『運動療法』『薬物治療』の3つの観点から糖尿病治療の全体像に迫っています。
―まずは、これまでと共通の調査対象である『薬物治療』について、どのような結果がでましたか。
森:前回までは『薬物治療』を行っている人が全体(100%)となるような調査設計でしたが、今回は受診している人全体を対象としたことで、85%以上の人が『薬物治療』を行っていることが判明しました。
『食事療法』が40%強、運動療法が35%程度の実施割合でしたので、それらと比べてかなり高い割合となります。
『薬物治療』を行っている人のうちでは、飲み薬を処方されている人が9割5分とほとんどで、インスリン製剤を処方されている人は1割強という結果でした。
また、不満や困りごとを尋ねた結果、「特にない」という回答が50%を超えて最も多く、2番目に多かった「薬の費用が高い/経済的な負担が大きい」(20%弱)を突き放しています。
―新たな調査対象である『食事療法』と『運動療法』については、どのようなことを調査し、どのようなことが判明しましたか。
森:それぞれ、医療機関からどのようなことを行うよう指示されたか、指示された通りできているか、指示に関わらず自身で行っていることは何か、日常生活で食事や運動に関して困っていることは何か、などを調査しています。
このうち、医療機関から受けた指示に着目すると、『食事療法』における最上位は「野菜を多く摂る」、『運動療法』における最上位は「有酸素運動」で、これは指示に関わらず自身で行っていることの最上位と等しくなりました。
また、日常生活で困っていることをみると、『食事療法』『運動療法』ともに「特にない」という回答が50%前後で最も多く、それぞれで2番目に多かった「すぐに効果が実感できない」(食事療法:約15%)、「運動に対するおっくうさ」(運動療法:約25%)と大きく差が開いています。
自覚症状に乏しいタイプの疾患であること、合併症を診断されていない人の割合が9割近くにのぼることなどが、こうした結果につながっていると考えられます。
―なるほど、困りごとのあるなしでは3つの治療法は似たような傾向が出たということですね。
それとは逆に、3つの治療法同士で結果に違いの出た項目はありましたか。
森:それぞれの治療法の総合的な満足度(効果の大小や実行のしやすさ、費用の多い少ないなどを含む)を100点満点で聞き取った結果、『食事療法』や『運動療法』が平均60点台前半であったところ、『薬物治療』の平均は70点に乗っていました。
『食事療法』や『運動療法』では、一度定着してしまうと変えることが難しい生活習慣の改善を求められる一方、『薬物治療』は原則的にこれまでの生活に、薬を服用する・注射する手間を上乗せするにとどまるものであるゆえと考えられます。
一方で、血糖コントロールの効果に対する評価は薬物より食事、運動の方がやや高くなっていました。
―なるほど、3つの治療法の共通点も違いもこのレポートからうかがい知れるということですね。
このテーマに興味を持ち、今このコーナーをお読みいただいている皆様に、最後にお伝えしたいことがあればお願いします。
森:当レポートは、成人の2型糖尿病患者693人を対象にWebアンケート調査を実施し、通院状況や血糖コントロール状態、合併症などを聞き取りつつ、食事・運動・薬物などどういった療法を行っているかを調査した結果となります。
ご興味・ご関心をお持ちいただけましたら、是非購入をご検討ください。
また、Web会議形式で実際のレポートをご覧いただきながら、内容を説明させていただくサービスも提供しております。よろしければ、そちらもどうぞご利用ください。
―本日は貴重なお話ありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2025年 2型糖尿病の患者調査」レポートは絶賛発売中です。ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせください。
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