第110回は、2025年2月17日発刊の『2025年　健康食品の通販事業戦略調査』です！
さらなる成長と拡大を遂げる通販健康食品市場について、大手通販企業から中堅企業、新規参入企業までを徹底調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの上野利恵、松井優太に調査のポイントをインタビューしました！

上野利恵　プロフィール

リサ・リューション事業部　ソリューショングループ　Health & Food
係長　上野利恵

—Profile—

入社以降、シニア食や業務用食品領域を中心に調査を担当。
近年は、新規事業や用途開発など、事業戦略の立案に向けた調査も複数実施している。
趣味はカレー屋巡り。休日にはスパイスカレー、スープカレー、欧風カレーなどを食べ歩いている。

松井優太　プロフィール

リサ・リューション事業部　リサーチグループ　Health & Food
松井優太

—Profile—

2024年4月入社、健康食品分野で市場調査・消費者調査を担当。
趣味は食べ歩きと野球観戦。
シーズン中は推し球団であるオリックスを応援しに球場へ足を運ぶ。

―なぜ今回この調査を行ったのですか？

松井：弊社では、2001年より健康食品通販市場に関する調査を定期的に実施しております。今回このタイミングで調査を行った背景には、健康食品業界を取り巻く環境の大きな変化がありました。昨年は、広告規制の強化に加え、紅麹問題や機能性表示食品の制度改正といった業界全体に影響を及ぼす出来事が相次ぎました。これにより、多くの通販事業者様が新規顧客の獲得に苦戦を強いられ、既存顧客の離脱も課題となる状況が生まれてしまいました。お客様からは、「定期顧客の離脱が増加しているため、具体的に他社がどのような施策を行い、リピート率を高めているのかを知りたい」という声が多数寄せられていました。
加えて健康食品市場では、消費者の購買行動が変化しつつあります。価格や成分だけでなく、企業の信頼性やブランディング、カスタマーサポートの質などが購買の決め手となるケースが増えています。そのため、単に商品の魅力を訴求するだけでなく、ロイヤリティを高める施策がより重要視されるようになっています。
こうした背景を踏まえ、健康食品通販市場において、「顧客のLTV最大化につながる鍵は何か、今後の戦略立案のための有効な情報が把握できるレポート」をご提供することを目的として、今回の調査を実施しました。

―なるほど、そのような背景があったのですね。
広告規制などの課題があるなかで、健康食品通販市場では、現在どのような販売施策が注目されているのですか？

上野：最近は、SNSやアプリなど、デジタルを活用した顧客接点強化策が注目されています。X（旧Twitter）やInstagram、LINEなどのSNSでは、各社がハッシュタグ投稿や、公式アカウントのフォロー＆リポストキャンペーン、インスタライブなどを通じて新規顧客との接点づくりや双方向でのコミュニケーションを図る動きがみられます。また、ユーザー投稿（UGC）を公式サイトに活用し、購買促進やブランド価値向上につなげる動きも活発化しています。
さらに、既存顧客向けには、LTV最大化に向けた施策としてロイヤリティプログラムの見直しやファン化に向けた取り組みを強化する企業が増えています。
例えば、サントリーウエルネスは2023年9月に「サントリーウエルネスクラブ」を立ち上げ、健康行動促進アプリ「Comado」と連動して金銭面とは異なるベネフィットを提供することで、顧客ロイヤリティ向上に努めています。また、新日本製薬は公式アプリ「Fun and Health」において、通販サイトと連動しサプリメント摂取の習慣化や健康管理をサポートすることで通販の利用を促進しています。
各企業がどのような施策に取り組んでいるのか、具体的な事例を掲載しておりますので、ぜひ今後の販売施策の参考にしていただけたらと思います。

―通販健康食品市場では、デジタルの活用やLTV最大化に向けた施策が重要となっているのですね。
では、今回の調査のここに注目してほしい！というポイントがございましたら、是非ともお聞かせください。

松井：本調査の注目していただきたいポイントは、販売方法分析における新規顧客獲得と既存顧客リピート策をまとめた項目になります。それぞれ、新規顧客獲得策においては、TVCMによるミドル世代の開拓・SNSの活用・UGCの活用・体験型ストア・パーソナル診断の5施策、既存顧客のリピート策においては、ライブ配信・健康サポートアプリ・ロイヤリティプログラムの刷新・専門家による無料相談・コミュニティサイト・イベント、の5施策、合わせて計10の施策をピックアップし、企業事例と共に紹介をしております。また、個別企業編においても、大手通販メーカーから新興企業や特徴のある企業など計22社をご紹介する中で、全ての企業でLTV向上に繋げるために行っている施策を紹介しております。他の企業がどのような施策を行い売上を伸ばしているのか、新規顧客獲得をどのように獲得しているのかなど参考になる情報が多く詰まっておりますので、各社それぞれの課題や事業戦略に応じて、ぜひ参考にしていただきたいポイントとなっております。

―なるほど、新規顧客獲得策・既存顧客リピート策それぞれで参考になる情報が掲載されているのですね。
最後に、健康食品通販の調査について、お客様からはどのような感想・評価をいただいていますか？

上野：お客様からは、新規顧客の獲得や既存顧客のリピート率向上に関するカスタマーロイヤリティ施策が特に参考になったという評価をいただきました。「各社がどのように顧客との関係を築き、継続的に利用してもらうための施策が詳しく紹介されていて、とても参考になりました」との声があり、実務で活かしやすい具体的な事例やデータが充実している点が高く評価されております。
また、通販媒体やSNSフォロワー数など、販売促進に関わる幅広いデータが収集されている点もご好評をいただいており、「社内の複数の部署で活用できそうな内容であり、マーケティング部門だけでなく、営業や商品企画などさまざまな部門でも有効活用できる」とのご意見もいただきました。
加えて、「とても充実した内容だったので、現時点では特に不足していると感じる点はない」との嬉しいお言葉もいただきました。情報の網羅性や実用性について、高い評価をいただいていることが何より嬉しく思います。

―本日は貴重なお話ありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2025年　健康食品の通販事業戦略調査」レポートは絶賛発売中です。
ご興味がございましたら是非とも弊社にお問い合わせくださいませ。

『2025年　健康食品の通販事業戦略調査』