美容・化粧品
第113回は、2024年11月12日発刊の『2024年 乳酸菌サプライヤーの事業戦略調査』です!
目まぐるしく変化している現状において国内外のサプライヤーがどのような開発・販売戦略を採用してきたのかを調査した当レポートについて、弊社リサーチャーの川原恒輔、佐藤照穂に調査のポイントをインタビューしました!
川原恒輔 プロフィール
リサ・リューション事業部 ソリューショングループ Health & Food
シニアアナリスト 川原恒輔
—Profile—
入社以降、ヘルス&フード関連の調査を担当。
お客様の課題解決につながる価値ある情報の提供を心がけ、
BtoB・BtoCを問わず、マーケット調査・事例調査・ユーザー調査に携わっている。
佐藤照穂 プロフィール
リサ・リューション事業部 リサーチグループ Health & Food
主任 佐藤照穂
—Profile—
2018年入社。食品、医薬品、ヘルスケアなど様々な領域を経験。
主に企業の開発戦略や海外動向などの分析レポートに多く携わる。
近年はこれまでの調査経験を活かし、個別の調査依頼にも対応。
―乳酸菌サプライヤーの調査を行った背景を教えてください。
川原:はい。ご存じの通り、乳酸菌関連の原料(生菌・死菌・乳酸菌生産物質)は2020年頃からコロナ禍を背景として伸長し、「プラズマ乳酸菌」の登場などで一気に飛躍しました。
しかし、実際に関係のお客様から話を伺うと機能性表示取得の難しさや、昨今の原料価格高騰など、様々な問題が噴出しており、一概に順風満帆とは言い辛い状況にもなっているようでした。最近は紅麹問題もありましたので、今後も健康食品に関する規制はより厳しくなっていくことが予想されます。
そうした中で各社がどのような取り組みを進め、現状を打破しようとしているかを知ることで業界の今後の発展に寄与できるレポートになるのではないかと思いました。
―なるほど、そのような背景があったのですね。
実際に調査してみてどのようなことが明らかになったのでしょうか?
佐藤:前回調査から「大分変ったなぁ」と感じたのは海外の反響ですね。
レポートでは「死菌素材」という括りで、「シールド乳酸菌M-1」や「プラズマ乳酸菌」、「EC-12」などを取り上げてきましたが、これらは数年前まで海外認知度が低い菌体でした。そもそも海外展開が十分でなかったということも要因になっているのですが、海外では死菌に関するエビデンスが少なく、”乳酸菌と言えば生菌”という状況が長らく続いていたのです。
しかし、近年は潮目が大きく変化し、死菌素材を扱っている国内企業と海外進出の提携が顕著に増加しています。例えば亀田製菓がKerry社と提携した事例や、ハウスウェルネスフーズが豪州・ニュージーランドに展開している事例などですね。その他にも海外で認証を取得する事例や、食品原料として認可される事例が2022年ごろから加速的に増加しているように思います。
死菌が急速に海外の注目を集めている理由としては、2021年に開催されたISAPP(国際プロバイオティクス・プレバイオティクス学術寄稿)で”ポストバイオティクス”とその健康効果が紹介され、明確な定義付けがなされたことが大きいでしょう。
―なるほど、海外における市場環境が大きく変化しているわけですね。
それでは、国内に新しい動きはあったのでしょうか?
佐藤:国内市場は、継続する物価高の影響を受け、乳製品などの市場が停滞しています。その一方で、サプリメント向けの販売が好調に推移しており、新たな成長の軸になりました。
コロナ禍では感染対策としての”免疫賦活”に関連した訴求が成長しましたが、2023年以降もエンドユーザーの免疫に対する関心は高い状態を維持しています。その上で”フェムケア”や”認知機能”、”美容”といった新しいニーズが増加しており、これまでになかったヘルスクレームを持つ菌体がニーズを取り込んでいます。
しかし、良い変化ばかりではありません。参入企業が増加し続けたことで、他社素材との差別化が大きな課題となっているのです。エビデンスのレベルでもそうですが、ユーザーフォローや菌体のブランド化といった点も重要視されるようになり、複雑な要望にどのように答えるか対応力が求められる時代になりました。
この激しい競争を乗り切るため、各社ではエンドユーザーの実感を得やすいアプリケーションの開発や機能性素材の組み合わせを探求したり、サポート体制を充実させることでユーザー開拓につなげようとしています。
―なるほど、国内でも変化が大きいようですね。
今回の調査で注目してほしいポイントがあったら教えてください。
佐藤:今回のレポートでは主に研究開発戦略と営業戦略にフォーカスし、それぞれの企業の戦略を包括的にご確認頂ける点が特徴となっています。個別市場編では20社以上の企業について内容を収録しており、売上上位の企業以外にも、ユニアルなどの特徴的な販売戦略を採用した企業を取り上げました。
また、前回版から引き続き、海外企業の動向にも注目しています。特に、近年は海外から日本市場への参入も加速していますので、前回では取り上げていなかった企業が多くなっていますね。以前に日本の販売代理店の方を取り上げていた企業についても、一部変更して海外企業自体の戦略をフォーカスしました。これによって表層的な部分だけでなく、各社の日本企業に対するスタンスと根本的な戦略をご確認いただけるのではないかと思います。
―なるほど、個別企業編は是非読んでいただきたいですね!
最後になりますが、読者の皆様に一言ありましたらお願いします。
川原:乳酸菌関連素材の市場では、他にも乳酸菌生産物質の動向や、各社の研究開発内容など、様々な要素について最新の情報を掲載しています。このため、乳酸菌原料を取り扱っている企業だけでなく、原料を活用した商品開発や提携など、様々なビジネスの局面でご活用いただける内容になっております。是非、実際にデータをご試読いただき、皆様の目的に合わせてお使い頂けましたら幸いです。
―本日は貴重なお話ありがとうございました。
さて、今回インタビューした「2024年 乳酸菌サプライヤーの事業戦略調査」レポートは絶賛発売中です。
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